古謝くんと特支教室 ページ4
Story.2 古謝side
『古謝くんと特支教室』
昼休みに教室から出ると、大体同じタイミングで末澤が出てきて一緒に特支教室へ行くのが日常。
「今日も行く？」
「うん行くよ」
「やった、編み物の続き教えてや」
編み物は小６の頃にお母さんが教えてくれて。
お下がりの編み針と毛糸を貰って夢中になって、学校に持って行って暇さえあれば編み物してた。
今やったら男が教室で編み物やってるのは確かに変やなって自覚あるけど当時は気にしてなくて、趣味が趣味やから話し相手も女の子ばっかりで。
「なあ、古謝が編み物やってんのキモない？」
「ほんま、女ちゃうねんから」
「しかもジャニーズ好きらしいで」
「え、めっちゃキモい」
すぐ目をつけられて陰口や嫌がらせが始まって。
最初は作品を盗まれるだけで済んでて、何個でも作れる物やから別に無くなっても構わなかった。
けど黙ってるのが気に食わへんかったんやろな。
ある日の放課後、編み物の道具が入ってる紙袋を学校に忘れてきて帰り道を戻ったことがあった。
見付けてホッとして袋の中を覗いたのも束の間、目に入ったのは細切れにされた大量の…毛糸。
「あのー、学級委員さーん」
じわじわ涙が出てくる、そんな時に聞こえた声。
あんまり知らない人が手をひらひらさせてる。
確か末澤くん…やったっけ？しかもそれ、作品…
「たまたま見ててん。無事やったのがこれ」
「ああ、ありがと…え、」
「その前に聞くけど、どうすんの自分」
「どうするって？」
「犯人の最低な奴らを、んで一番ずるい俺を」
「…まだ分からへん、」
けど、末澤くんは悪くない、ずるくなんてない。
俺の言葉を聞いた末澤くんは、へらっと笑う。
「なーんや、俺のことも一発しばくか思てたわ。…軽い遊びのつもりでも、学校来れへん位どん底まで堕ちる人がいるって何で分からんのやろな」
不意にトーンの下がった冷たい声でそう言って、ついて来てや、と作品を持ったまま歩き出した。
そのまま歩いていって着いたのが、特支教室で。
「まとくん先生ー！」
「お、末澤」
「会いに来ちゃった、古謝も一緒！」
「ん？連れか？入ってええよ？」
これが末澤との、そして特支教室との出会い。
特支教室の皆は近過ぎないのに温かい距離で接してくれて、真鳥先生やリチャ先生も優しい人で。
その日は放課後やし早めに帰ったけど、翌日から末澤に誘われて特支教室へ行くことが多くなって今は編み物もしたりしながら楽しく過ごしてる。
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y - MOON NIGHTさん» こちらこそ完結までお読み下さいまして誠にありがとうございました。読者様に支えて頂いた部分は凄く大きかったですし、ほっと心が温まるようなお話を通して私の伝えたかったことや自分の心そのものを整理できたので良かったと思います。長らく御世話になりました。 (2018年1月24日 14時) (
レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)
MOON NIGHT(プロフ) - 完結お疲れ様です。ステキなお話ありがとうございました。作者様の書く文章が大好きです。何か、こう、温かさを感じていました。本当に素晴らしいお話をありがとうございます。 (2018年1月23日 23時) (レス) id: 38dd7cb8aa (このIDを非表示/違反報告)
y - MOON NIGHTさん» こちらこそリクエストして頂きまして誠にありがとうございました。色々なお褒めの言葉、嬉しい限りです。これからも本作品をよろしくお願い致します。 (2017年11月14日 7時) (レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)
MOON NIGHT(プロフ) - リクエストお応えいただいてありがとうございました！やはり作者様の書かれる文章がとても好きだなあと改めて感じました。心情表現というか人との関わりの表現だったりストーリーそのものが大好きです。続きのお話も楽しみにしております。 (2017年11月13日 18時) (レス) id: 38dd7cb8aa (このIDを非表示/違反報告)
y - さちお。さん» ２度目のコメント＆リクエストありがとうございます。朝田くんは毎年校外学習に行っていない設定なので特支教室メンバーでの学校訪問だったり見学などといった形になると思います。他に細かい希望があれば後からでもコメントして下さい。 (2017年10月28日 8時) (レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：y | 作成日時：2017年8月20日 12時
