七話 畑 ページ8
五郎八side
「お待たせしてすみませぬ!母様!」
『そんなことないよ。来てくれてありがとね』
「いっ、いえ!」
私は母様がくれたジャージを身につけ、畑に来た。
(おそろいなのだ、良いだろう父様!)
私が一番に声をかけたのは、勿論母様だ。
すると、母様はニコリと笑ってくださり、私はもう鼻血を自重できなかった。
「よう、A!」
『政宗さん…そういえば政務は終わったんですか?』
「後ででも大丈夫だ。なあ小十郎?」
「…小十郎は手伝いませぬぞ」
父様のご到着だ。
母様が問えば、父様は小十郎にニヤリと問いかけ、それに小十郎は溜息をついていた。
『もう、二人とも部屋で何してきたの?
鼻血が出てますよ』
「ありがとうございまする…!」
「Thank you!!」
『あれ?拭いたのにまた出てきた…』
母様は私と父様の顔を交互に見ると、次にプッと笑った。
なにかと思えば、母様はジャージの袖で私と父様の鼻の下を拭いてくださり、言うまでも無いが、私たちはまた鼻血が出た。
その光景を、小十郎が引いた様な目で見ていたが、まあどうでもいい。
「お二人を拭くのは良いが、お前も土がついてるぜ?」
『えっ、どこですか?!』
「―ここ、だ」
『あ、ありがとう、ございます』
「「(…照れ顔GET!!)」」
小十郎はクスリと笑って母様にそう言った。
すると、母様は少し顔を赤らめて焦り、小十郎が頬を拭えば、母様は紅い顔で礼を言っていた。
多分、父様は妬くは妬かれているだろうが、私と同じで、何より照れ顔が見れてきゅんとしてるに違いない。
『っきゃあ!』
「母様!お、お怪我はありませぬか!」
『だ、だいじょぶ―…ひゃあっ?!』
「どどど、どうなされたので…?!」
すると、母様がズルリと滑ってしまった。
もっと注意していればと切腹したいくらいになりつつ、私が母様に手を差し伸べた時、母様はバッと立ち上がって私に抱きついてきた。
思わず声が裏返った。
『い、いもむしが…』
「…母様は虫が苦手なのですね」
『ご、ごめんね、迷惑かけて…』
「いえ全然!!寧ろありがとうございます!」
『う、うん?』
母様は震えながら、下を指してそう言った。
見れば一匹のイモムシが居て、私がクスッと笑ってそいつを蹴飛ばせば、母様は謝りながら私から離れた。
それに対し、私は少し息を荒くしながら逆に礼を言えば、母様は首を傾げていた―。
「たまりませぬな、父様…!」
「ああ、たまんねぇ…!」
『?』 「…」
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ウィスキートリオ - 更新してください (2017年4月8日 1時) (レス) id: 28c8159213 (このIDを非表示/違反報告)
五郎八 - こんばんは! 初めまして。奥州に舞い降りたお馬鹿さん、読ませていただきました。とっても素敵な作品だと思います! つづきが楽しみです♪ (2015年11月11日 21時) (レス) id: 9881b80518 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 篝火さん» 初めまして!コメありがとうございます!奥州に舞い降りた((ryから見て下さってありがとうございます!更新は遅いですが のんびり頑張ります(*´。・ω・。`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 石田ぎゅ@政就さん» 素晴らしいだなんて…もったいなきお言葉、ありがとうございます!まめまめしてても のんびりお馬鹿に参ります(ノ´∀`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
篝火(プロフ) - こんにちばんわ!BASARAで小説書かせていただいているものです!cocoaさんの奥州に舞い降りたおばかさんから見てます!これからも頑張ってください!! (2015年2月10日 20時) (レス) id: 5819096baf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cocoa | 作成日時:2014年11月16日 18時