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六話 かみんぐあうと ページ7

五郎八side


「とうさまーっ!」

「どうした、五郎八」

「お暇でしたら少しお話でも、と思いまして」

「おう、入れ入れ」


朝餉を終え、本当は私はやることがあるっちゃあるのだが、父様の元へやってきた。
普通騒がしく戸を開ければ小十郎が口うるさいのに、父様もよくやられるからか、怒らなかった。
私が笑って言えば、父様は嬉しそうに首を縦に振ってくれ、「失礼します」と言って中へ入った。


「それでですね、父様。
お話と言うより、かみんぐあうと、なるものがございまして」

「Coming out? 言ってみな」

「はい、ありがとうございます。
…おかしな話ですが、私、父様の血が濃いと思われまする」


そう、父様に私の変態っぷりを明かしに来た。
きっと理解してくれるだろう、そう願いながら。
私がゆっくりと伝えると、父様は「What?」と首を傾げた。


「―私…母様が好きで好きでたまらないのです!
あの綺麗で愛らしい完璧な方がどうしようもなくっ」

「五郎八…。―…俺もだぜ!」

「やはり解ってくださいましたか!!」


もうブパッと溢れた鼻血も拭うのが面倒だった。
私が母様を頭に思い浮かべながら拳を握って言えば、予想通り父様は私の手を握って頷いてくださった。


「いやあ、引かれるかと思うておりました」

「んな訳ねぇだろ。俺の娘だからな、そうなるのも仕方ねぇ」

「―あっ、母様!!」

「なに?!どこだ!」

「小十郎と畑に居りますれば!!」


二人で手を握りながら鼻血を流す光景は異例だろう。
父様の話を聞いてる時に外に居る母様が見え、私は御話し中という事も忘れて声をあげた。
そうすれば、父様も喰いついてきて、私は畑を指して教えた。


「かーさまぁー!!」

『いろはー!まさむねさーん!』

「「……So cute!!!」」


私が声を上げて手を振ると、気付いた母様はニコリと笑った。
そして、その最上級な笑顔で私と父様の名を呼び、手を振ってくださった。
それを見て、私と父様は頭を抱えてふんぞり返りそう言った。


「もう身震いが止まりませぬ…!
それくらいあの方は可愛い…!」

「解るぜその気持ち…!」

『あの!折角天気が良いので、二人も畑のお手伝いしませんかー?』

「「Sure!!」」


もう母様が愛しくて愛しくて、ガタガタと身体が震えた。
すると、鼻血をほったらかしにする父様が深く頷いてくれ。
次に母様のお誘いがあったので、私たちは勿論と言うと、すごいspeedで畑へと繰り出したのだった。

七話 畑→←五話 血の濃さ



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ウィスキートリオ - 更新してください (2017年4月8日 1時) (レス) id: 28c8159213 (このIDを非表示/違反報告)
五郎八 - こんばんは! 初めまして。奥州に舞い降りたお馬鹿さん、読ませていただきました。とっても素敵な作品だと思います! つづきが楽しみです♪ (2015年11月11日 21時) (レス) id: 9881b80518 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 篝火さん» 初めまして!コメありがとうございます!奥州に舞い降りた((ryから見て下さってありがとうございます!更新は遅いですが のんびり頑張ります(*´。・ω・。`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 石田ぎゅ@政就さん» 素晴らしいだなんて…もったいなきお言葉、ありがとうございます!まめまめしてても のんびりお馬鹿に参ります(ノ´∀`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
篝火(プロフ) - こんにちばんわ!BASARAで小説書かせていただいているものです!cocoaさんの奥州に舞い降りたおばかさんから見てます!これからも頑張ってください!! (2015年2月10日 20時) (レス) id: 5819096baf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cocoa | 作成日時:2014年11月16日 18時

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