二十二話 笑顔 ページ23
五郎八side
『…○▼◇%&$#”〜〜?!』
「どうされました母様!!」
『いっ、いっちゃんっ…!』
今日も平和だ。
そう思ったのだが、突如母様の悲鳴にならない悲鳴がし、私は速攻で駆けつけた。
『いいいいっちゃん、私っ!』
「お、落ち着いて!
一体何があったのですか?」
『じ、実はね…恥ずかしいんだけど…その、私、太っちゃって…』
「は?」
戸を閉めて中に入ると、母様がしがみついてきた。
垂れた眉と上目づかいに内心悶えつつ、一度座り直して深呼吸を諭した。
私が問うと母様は顔を紅くしながら目を泳がせ、太ったと言い、私は思わず間抜けな声を漏らした。
「え、ふ、太ったァ?!」
『大声で言わないで!
政宗さんに知られたら私…嫌われちゃうよ』
「あ、あの…母様全然太っておりませんよ?」
『その気遣いが痛いよ五郎八!
五郎八は政宗さんの血が多いからスラっとしてて良いね…。
私に似なくて良かった…』
(確かに父様の血が多いからこんなに変態なんですけどね!)
思わず声を上げた。
何故なら、母様は何処からどう見ても太っているとは言い難い。
というか父様にそれで嫌われるって…どれだけ父様理想高いと思っているのだろう。
理想も何も、母様onlyだが。
『だから私っ…政宗さんと出会った時くらい痩せて若返る!
つまり…ダイエットします!』
「だいえっと…。して、一体何を?」
『えっと…は、走り回るとか腹筋とか!?』
「No planなんですね!」
母様はスクッと立ち上がり、だいえっとすると宣言した。
だいえっととは確か…痩せるとかいう意味だった気がするな。
私が何をするのかと聞けば、母様は目を逸らして適当な事を仰った。
「ならば、私の鍛錬をやってみませぬか?」
『―え?』
そうだ、私が行う鍛錬なら好い感じに運動が出来るはずだ。
私の問いに、母様は目を丸くして首を傾げた―。
*『い、五郎八って…結構ハードな鍛錬してるんだね…』
「いえ…私はもっと強くならなければ」
『五郎八は女の子だから強くなくても良いんだよー』
ある程度の鍛錬をこなすと、母様は地面にベタリと倒れた。
私が木刀を握って強くなると言えば、腕を引かれて地面に倒された。
ハッと横を向けば、母様の笑顔。
『私…五郎八がこんなに鍛錬してるの気付かなかった。ごめんね。
でも、今日知れたから嬉しいな』
フフと笑った母様に勿論きゅんとした。
この笑顔を護るために、私はやはり強くなろうと決意したのだった―。
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ウィスキートリオ - 更新してください (2017年4月8日 1時) (レス) id: 28c8159213 (このIDを非表示/違反報告)
五郎八 - こんばんは! 初めまして。奥州に舞い降りたお馬鹿さん、読ませていただきました。とっても素敵な作品だと思います! つづきが楽しみです♪ (2015年11月11日 21時) (レス) id: 9881b80518 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 篝火さん» 初めまして!コメありがとうございます!奥州に舞い降りた((ryから見て下さってありがとうございます!更新は遅いですが のんびり頑張ります(*´。・ω・。`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 石田ぎゅ@政就さん» 素晴らしいだなんて…もったいなきお言葉、ありがとうございます!まめまめしてても のんびりお馬鹿に参ります(ノ´∀`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
篝火(プロフ) - こんにちばんわ!BASARAで小説書かせていただいているものです!cocoaさんの奥州に舞い降りたおばかさんから見てます!これからも頑張ってください!! (2015年2月10日 20時) (レス) id: 5819096baf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cocoa | 作成日時:2014年11月16日 18時