十八話 井伊 ページ19
政宗side
それから暫くして。俺は竜王と名乗り上げた。
あの日の俺と同じように絶望する人間を、引っ張り上げて助けてやりたいのだ。
そこで、と井伊領に攻め込んできたは良いが―…。
『あ、あの、私…こ、困りますっ!』
「母様に触るなっ!!」
「私のなでしこ隊に入らないか?」
「「…」」
何故、此処に娘の五郎八と妻のAが居る?
しかも、妻に至っては井伊にscoutされてるし、それに娘が威嚇してるし。
俺と小十郎は、無言だった。
「政宗様…」
「ああ。…Hey!井伊直虎、scoutしてんじゃねぇ!」
「むっ、伊達。すかうととは解らぬが、貴様に関係ないだろう!」
「関係ありまくりだ。まず戦中なのに加え―…」
『「私は、伊達政宗の妻/娘だから」』
「なっ…?!」
小十郎がどうにかしろと目で訴えてきた。
故に井伊に止めろと言ったが、関係ないと返された。
俺が答えようとすれば、Aと五郎八は俺の近くに寄ってそう言った。
「こんな男の何処が良いのだ?!」
「んだとコラ!」
『ぜ、全部、ですよ?』
「私もだ。(母様可愛い)」
井伊は絶望したような表情で、そう問うた。
すると、Aは恥ずかしそうに全部と答え、五郎八も同じように答えた(きっと違う事を考えていただろうが)。
「貴女なら、もっと良い男が居ただろうに…。
まあ、良い男など、この地に居らぬが」
『そ、そんなことないです!目の前に居ますよ!』
「ハハ、面白い事を言うな」
『本気です!!』
井伊はAの頬に触れ、はあと溜息をついた。
それに対し、妻はそんなことないと否定し、俺の腕を引いた。
さり気無く腕を組んでくる所が可愛いと思う反面、冗談はやめろと笑う井伊にイラッとした。
「私は威張り散らすお前ら男が大嫌いだ!
貴様らの所為で、祝言をあげられなかっ、た…」
「お、おい…」
『なおとらさん……』
「え、ちょ、母様?」
威勢が弱まったと同時に、井伊は俯いて拳を震わせていて。
声も震えていて泣きそうなのかと思って焦った時、隣に居たAがハラハラと涙を流しだした。
「何で泣いてんだ」
『だって、祝言は女の子の夢ですよ…?
それを邪魔されて悲しいハズなのに、直虎さんはこう強く在れるなんて…すごいなぁって、悲しいなって思って…』
「わかってくれるのか…!」
『勿論…!』
俺が涙を拭ってやりながら問えば、Aは泣きながら答えた。
井伊が聞けば、彼女は深くうなずいていて。
あれ?コイツら同盟くんだ?
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ウィスキートリオ - 更新してください (2017年4月8日 1時) (レス) id: 28c8159213 (このIDを非表示/違反報告)
五郎八 - こんばんは! 初めまして。奥州に舞い降りたお馬鹿さん、読ませていただきました。とっても素敵な作品だと思います! つづきが楽しみです♪ (2015年11月11日 21時) (レス) id: 9881b80518 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 篝火さん» 初めまして!コメありがとうございます!奥州に舞い降りた((ryから見て下さってありがとうございます!更新は遅いですが のんびり頑張ります(*´。・ω・。`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 石田ぎゅ@政就さん» 素晴らしいだなんて…もったいなきお言葉、ありがとうございます!まめまめしてても のんびりお馬鹿に参ります(ノ´∀`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
篝火(プロフ) - こんにちばんわ!BASARAで小説書かせていただいているものです!cocoaさんの奥州に舞い降りたおばかさんから見てます!これからも頑張ってください!! (2015年2月10日 20時) (レス) id: 5819096baf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cocoa | 作成日時:2014年11月16日 18時