十四話 本心を ページ15
貴女side
『…うるっさーーい!この馬鹿コンビ!』
「「!!」」
「Aに馬鹿って言われるとか…世も末だわ」
『うっさい!』
元はと言えば私(根本的には政宗さん)が原因だが、口論を続ける五郎八とマダオにイラッときて、思わず声をあげてしまった。
髪の毛を引っ張り合う二人は静止し、佐助はケラケラと笑っていた。
『政宗さん、もういいです』
「なっ…?!
俺はよくねぇ!俺は絶対お前を手放さねぇからな!」
『そうじゃなくて。
…一つだけ、聞かせてください。いつきちゃんのこと、好きなんですか―?』
溜息をつき、眉を下げて笑った。
私の言葉に政宗さんは目を見開き、次に分かりにくく絶対別れないと言った。
私は首を横に振ると、ごくりと唾をのみ、今まで思ってた事を問うた。
「別に嫌いじゃ」
『ハッキリ答えてください』
「……好きだ」
政宗さんのツンデレさが面倒になり、私はハッキリ言えと口を挟んだ。
好きだ。
その言葉を聞いて、私の心はズンと沈んだ。
自分が言われたら嬉しい言葉だけど、他の娘じゃ…辛いだけだよ。
『ほ、ほら、ならもう―…』
声も手も、身体全身が震えた。
ならもう、別れたって良いじゃない。
その言葉は頭の中で駆け廻るが、口からポンと吐き出せない。
勝手に不安になって勘違いして。自分で聞いておいて泣きそうになるなんて。
馬鹿じゃんか、私。
「A」
『…はい』
「―馬鹿。なに泣きそうになってんだ」
目がしらが熱くなり、鼻の奥がツンとしてきた。
歪んできた地面から目を放さないでいると、名を呼ばれ、恐る恐る顔をあげた。
すると、おでこにキスを落とされ、クスリと笑われた。
『だ、って…』
「お前は本当に救いようのねぇ馬鹿だな。
…こうやって撫でたいって、抱きしめたいって、kissしてェと思うのは。
頭から離れねぇのも、なにもかも愛しく思うのも、全部…A、お前だけだぜ」
なにを返せば良いか解らなくて、俯いた。
すると、政宗さんは頭を撫でてそのまま抱き寄せ、キスをして。
目を合わせながら微笑して、私だけだと言ってくれた。
『ごめんなさい…。
政宗さんの気持ち疑って嫉妬して不安になって、勘違いして。
面倒くさいって自分でも思うけど……こうなっちゃうのは、政宗さんが大好きだからなの―』
「A…。それくらい、解ってる」
ぼろと零れ落ちた涙を拭いながら、本心を伝えた。
涙が止まらない私を見て、政宗さんはクスと笑い、抱きしめてくれた―。
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ウィスキートリオ - 更新してください (2017年4月8日 1時) (レス) id: 28c8159213 (このIDを非表示/違反報告)
五郎八 - こんばんは! 初めまして。奥州に舞い降りたお馬鹿さん、読ませていただきました。とっても素敵な作品だと思います! つづきが楽しみです♪ (2015年11月11日 21時) (レス) id: 9881b80518 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 篝火さん» 初めまして!コメありがとうございます!奥州に舞い降りた((ryから見て下さってありがとうございます!更新は遅いですが のんびり頑張ります(*´。・ω・。`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 石田ぎゅ@政就さん» 素晴らしいだなんて…もったいなきお言葉、ありがとうございます!まめまめしてても のんびりお馬鹿に参ります(ノ´∀`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
篝火(プロフ) - こんにちばんわ!BASARAで小説書かせていただいているものです!cocoaさんの奥州に舞い降りたおばかさんから見てます!これからも頑張ってください!! (2015年2月10日 20時) (レス) id: 5819096baf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cocoa | 作成日時:2014年11月16日 18時