【戦国BASARA】竜と馬鹿姫と、その娘。

十三話　口論 ページ14

貴女side


「俺だって男女のゆうじょ」

全『「それは違う」』

「はもってんじゃねぇ！」


甲斐で佐助とのんびりしていたら、政宗さん達が来てしまった。
正直帰りたいっちゃ帰りたいが、五郎八に宣言？をしてしまった為、妙に頑固になってしまう。


『別に私が帰ったところで、何も良いことないですよ。
さっ、お帰り下さい』

「お前が居ないとダメなんだよ」

「母様が居ないと…愛情も癒しも、目の保養も無くなってしまいまする…」

『いっちゃん…』


スッと立ち上がると、二人の背中を押して帰れと諭す。
すると、二人は捨てられた子犬の様な瞳でそう言ってきて、五郎八にだけきゅんとした。


『やっぱり五郎八、一緒に甲斐で暮そう？』

「え、でも…」

『いいよ、その人は女に困らないから。ね？』

「チッ…わーったよ！A！！」

『なんですかいきなり』


五郎八の手を取ってそう言うと、明らかに戸惑っていた。
私が嫌味を吐くと、黙ってた政宗さんがキレ気味で名を呼んできて、私はジロリとそちらを見た。
今日と言う今日は、もう―…。


「さっきの、愛してるって愛しいってのは、お前と五郎八のことだ」

『え？』

「情けねぇ話だが、俺のデカすぎる愛はお前に伝わってないっぽいな。
―好きだぜ、誰よりも…Aが」

『……』


政宗さんの話が本当なら、さっきのは勘違いだったようだ。
五郎八が深く頷いているから、きっと本当なのだろう。
切なげに眉を寄せた彼がそう言い、私の心は揺れる。


『…ずるい。
いつも妬かせておいて、喧嘩になれば、そうやってサラッとそんなこと言って…。
許したく、なっちゃうよ…』

「A…」

「―母様、もう父様を許さなくて結構です。
私と共に何処か遠い所へ行きましょう」

「待て待て待て待て」


私は政宗さんの胸板をばしばしと叩くと、そう伝えた。
眉を下げて泣きそうになっていると、五郎八が手を握ってきて、首を傾げた。


「何で娘のお前が口説いてんだよ！Aは俺のモノだ！」

「良く言いますね！あの女子のちっぱいでも吸ってろバーカ！！」

「おまっ、父親に何言ってんだ！」

「浮気性ロリコンな男は、私の父ではない！
私の父は、くうるでカッコイイ方だ！」

「それ俺だからぁぁぁぁあああ！！」


何故か、二人が口論し始めた。
訳が解らず、私は首を傾げ、幸村と佐助は苦笑いしていた。
ああもう、ホントにこの人たちは…。


『…ああもう、うるっさーーい！この馬鹿コンビ！！』

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