一話 久しぶり ページ2
貴女side
皆さま、お久しぶりです。
私、4年ほど前に子供を産みました。
名前は五郎八といって、女の子です。
史実通り女の子が産まれて、政宗さんは凄いなぁと思います(棒)
そして今、私は悩みながら、五郎八と散歩中です―。
『いっちゃん、ダメだよ。そっちは危ない』
「うー、やらー!」
『あっ、こら!』
ふわふわと花びらとその匂いが舞う中、私は娘・五郎八をつかまえる。
結構山中な為、転べば大怪我するかもしれない。
その思いは、まだ幼い娘には通じず、するりと腕から逃げられてしまった。
『五郎八、危ないから、ほんとにダメ―』
「だーれ?」
『あ…!』
五郎八を追いかけた先には、五人以上の忍。
首を傾げる娘を抱き上げて自分を盾にすると、彼らを睨む。
『あ、貴方達、何が目的なの』
「声が震えているぞ、独眼竜の姫よ」
「娘も一度に殺れるとは、ついている」
『そんな事、させる訳っ―…きゃあ!』
恐怖から、ガクガクと足が震えた。
怖いが、今五郎八を護れるのは自分しかいない。
目を細めた彼らに、させるかと言おうとすると、私目がけて放たれたクナイが、右の二の腕をかすめた。
『いっつぅ…』
「それ以上痛い事が待っているんだぞ」
「いや、殺すよりも…屈辱的な事をして汚したい」
『や、やだ…こないで―…誰か助けてぇっ…!!』
ビュッ―。
「ぐはっ!」「くぅっ…!」
血が出てきて、五郎八を抱くのが辛いほど痛い。
彼らがじりじりと近づいてくるから、私は後退する。
クナイを構えられた時、怖くて半泣きで叫ぶと、誰かが忍全員を殺してくれた。
『一体、誰が―…さ、佐助っ?!』
「よっ、久しぶり。A」
『な、何で奥州に…』
瞑っていた目を、ゆっくりと開ける。
私の目の前に居たのは、甲斐武田の忍、佐助だった。
ニコリと笑う彼に、私は五郎八を抱き直して近づいた。
「時間があいたからAに逢いに来たんだけど、なんて目に合ってんのさ」
『ご、ごめんね、助けてくれてありがとう』
「いーえ。五郎八ちゃんも、おひさ」
「うん、おにいちゃん!」
佐助は私を大きな石に座らせ、私の横に五郎八も座らせる。
私の問いに答えながら、彼は負傷した私の腕の治療をする。
それを終えると、彼は笑顔で娘に声をかけた。
「どーしたの、そんな顔して」
『あ、いや―…実はね』
私が顔を顰めていると、佐助が問うてきた。
言うまいと思ったが、溜めておくのも疲れる為、彼にある悩みを話すことにした。
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ウィスキートリオ - 更新してください (2017年4月8日 1時) (レス) id: 28c8159213 (このIDを非表示/違反報告)
五郎八 - こんばんは! 初めまして。奥州に舞い降りたお馬鹿さん、読ませていただきました。とっても素敵な作品だと思います! つづきが楽しみです♪ (2015年11月11日 21時) (レス) id: 9881b80518 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 篝火さん» 初めまして!コメありがとうございます!奥州に舞い降りた((ryから見て下さってありがとうございます!更新は遅いですが のんびり頑張ります(*´。・ω・。`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 石田ぎゅ@政就さん» 素晴らしいだなんて…もったいなきお言葉、ありがとうございます!まめまめしてても のんびりお馬鹿に参ります(ノ´∀`*) (2015年2月12日 7時) (レス) id: 383655f342 (このIDを非表示/違反報告)
篝火(プロフ) - こんにちばんわ!BASARAで小説書かせていただいているものです!cocoaさんの奥州に舞い降りたおばかさんから見てます!これからも頑張ってください!! (2015年2月10日 20時) (レス) id: 5819096baf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cocoa | 作成日時:2014年11月16日 18時