【黒バス】俺らキセキの世代とは違うんだけど① (ページ7)

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萩色の影ページ7

【萩本side】

______貴方は誰…？

その瞳の色は私と同じ色

あぁ、なんだ……“お兄ちゃん”か…

誠凛の人にも話したある記憶

私の家は、父・母・兄・私の４人家族だった

ごく普通の家庭で、ごく普通に過ごしていた

兄と私は兄妹喧嘩もない平和な兄妹

私が小学3年生の頃、兄はバスケが大好きで、毎日私と一緒にバスケットコートに行っていた

仲良く過ごしていた日々

それは急に壊れ始めた

父と母が喧嘩をするようになったからだ

私と兄が学校から帰る頃には、父も母も家にいる

うちは父母共働きで平日のこの時間に家にいることはないのに…

リビングに行けば、喧嘩をしている2人

怖くなって私と兄はご飯も食べずに部屋に籠った

そして泣いた

喧嘩を見て辛い思いをするのなら…いっそ2人で生きていきたかった…それくらいには仲が良かったのかな

父と母は離婚を選択し、私達2人に言った

『1人ずつ着いてこい』と……

兄は最後まで、私と一緒にいたいと言ってくれていた

けどそれが聞き入れられることもないまま、結局私は父の方に着いていき、兄は母に着いていった

兄がバスケを辞めないことはわかっていたし、私もバスケがしたかった

兄と約束した

『いつか会場で会おう』って…

けど互いに選手としてバスケ界にいれば、会えない可能性がある

何故なら私は女なんだから…

それよりも、マネージャーとして男バスにいるほうが会えるかもしれない

そんな気持ちでバスケ部に入って、桜太達天光の師表に出会って、私は今もマネージャーを続けてる

けど…兄には未だ会えていない

兄の名前もわからない

ずっと“お兄ちゃん”って呼んでいたから…

名前が思い出せない

思い出そうとすれば頭が痛くなる

そして、多分母の旧姓になっているから、苗字も違う

母の旧姓だって覚えてない

兄の顔も、思い出そうとしても思い出せない

モヤが掛かって、ずっと思い出せないまま…私は高校生になってしまった

______

飴宮「水樹」

萩本「あ、今行く！」

今もまだ、どこにいるのかはわからない