10年経っても愛してる【不動明王】part３

人は無意識に ページ19

―『人生なんて選択肢ばかりですよ』




そう告げた神童くんの表情は、とても中学生とは思えない位大人びていた




「どうしてそう思うのかな」


「案外気づいてないだけであって、毎日の日常だって選択肢ばかりなんですよ

一件その人にとっては特に特別な事をして過ごしていないことでも、既にそれが選択なんです。

例えばその人がその日買い物に行こうとしてたとしましょう、でもその日は生憎時間がないから行くのを断念したとします

それが選択です
何を買うのかは別としても、その日のうちに行こうと思えば行けたはずですから

でもその人は行くのをやめた。
それは"いかないと選択した"からです」



「なるほど……」



「それは恋愛関連でも一緒の事が言えます、例えば篠崎先生に好きな人がいたとして、逆に違う人が先生を好きな人がいるとしましょう。仮に先生が好きな人をB君、そうじゃない別の男性をA君という名前だとして…

先生はA君から交際を申し込まれます、でも先生には別に想いを寄せるB君がいます

簡単な事です



―…先生は好きでもない人と付き合えますか??」



「＿＿＿＿!!!」





別に……神童くんに風丸たちの事を話したわけではないのに

なのになんでこんな似たような話が……






「……先生は、好きでもない人とは付き合えない…けど……そのA君を傷つけることも出来ない、かな」



「―…篠崎先生は優しいんですね」


「…そう、なのかな」




これを"優しい"といっていいのだろうか

だとしたらこんな優しさ、私はいらないし欲しくない。





「それと同時にとても残酷です」

「ぇ……?」


「先生の選択は聞いた限りじゃ優しい人ですが、よくよく考えれば残酷なことをしています」

「どういうこと…?」



「返事をあやふやにされ続けたA君は、いつまでたっても未練が残り前には進めません。じゃぁもしA君とそのままで想いを寄せていたB君から交際を申し込まれたら?」


「ｯ それは…」



「―…今、先生は選択したんですよ」


「…?」


「さっきの回答もそうです、先生は"付き合えない"けど"突き放せない"という選択をしましたし、今のでは俺の質問に"答える"という選択をしました

ね?案外選択する事って身近にありすぎて分らないものでしょ??


別に特別な事はないんですよ、ただ人は無意識の内にたくさんの選択肢の中から１つを選んで日々を過ごしている…ただそれだけなんです



だから人生は選択肢ばかりだと俺は言ったんですよ」

相談する事→←選択肢

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す