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…さて、どうしようか。
取り敢えず死体を片付けて、仕事完了の証拠と共に依頼者に連絡したけれども。
金受け取りに行くまで、こいつどうしとこうか…
「ゾム」
「どしたん？」
「お…私、今から依頼者に金受け取りに行くから家開けるけど」
「…俺、着いて行っても良いん？」
「いや、流石にそれは無理だな…」
そう返すと、ゾムはしょんぼりと項垂れた。なんだこいつ、何歳だ。
「お前、何歳？」
「え〜っと…何歳やっけ。
……12？」
「そうか…俺何歳だっけ」
取り敢えず生きてそんな時間経ってない気がするからなぁ。そんなもんなのか？
今まで何をしてたか、と言われても真っ赤な血しか思い浮かばない。ちっさい頃、って何だっけ。
まあ覚えてても得がある訳じゃねぇから良いんだけどよ。
「覚えとらんの？」
「そうだな。まあ興味無いし…」
「ふーん」
「…んじゃ、行ってくるから留守番宜しくな」
「はーい」
家壊すとか、まあそれは良いが。
お願いだから、武器壊すなよ…！
その後何事も無く報酬を貰い、家に帰ってきた。
「ただいまー」
「お、おかえり…」
正座しているゾム。
…は？
部屋の中を見渡すと、散らばった服と水。
ナイフに水当たってんじゃねぇかぼけ！！！
急いで駆け寄り、ふぅ。と息を吐いた。
「てめっ…俺のナイフに手ぇ出すなやっ！！」
「ごめん…」
予備だからって大事にしてないとは一言も言ってねぇだろうが！確かに普段使いの方が使い勝手良いし入れ込みは深い。
でも、でもこれも大事なんだよ！！
気持ちに任せて全部叫びたい。
それをぐっと抑えて、ゾムを見やった。
「…ゾム」
「俺…血、ついた服…気になって。
いっつも、洗っとったから」
「勝手に手ぇ出すなって、言ってなかった…言ってなかったな。
俺気遣うのは良いんだけどよ、お前何も知らねぇんだから。
……そんなに泣くなよ…」
ずるずると鼻水を啜り、涙を堪える音がする。
「や、やって…Aの大切にしとる、ナイフ…」
「んなちょっと水に当たったくらいじゃ変わんねぇから…
それより、これ片付けねぇと」
血が溶け込んだ水は赤く染まり、床を濡らす。
こんなになったのは一回じゃねぇから良いけどさ…
「これからはすんなよな」
「…おん」
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：天の河 x他1人 | 作成日時：2021年8月2日 18時
