【d!】殺人鬼、脅威を拾う。 (ページ8)

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ゾムの服、買わねぇとな。

返り血の付いた自分の服はもう洗い終わった。外にはもう出れる。
しかし、ゾムの服はボロボロだ。服くらい与えろよ。

「…あー、お前、じゃなくてゾム。
ゾムの服買いに行きたいんだけどよ…」
「服」

固い床に転がっていたゾムは起き上がる。

「おう。
でも買いに行く時に着る服が無いじゃねぇか」
「え？これじゃ駄目なん？」

薄汚れた服じゃ店に入れないんだよなぁ。
ゾムはキョトン、として自身の服を引っ張り首を傾げた。

「うん。だから俺…私の服着てもいいか？」
「Aの服着て服買いに行くん？」
「そうそう。えっと…こっちに換えのやつが…」

2着でやりくりしてるからな。こっちも相当ボロボロ…え？

「うわ…」

ボロボロってか…色やば。
元々オリーブ色だったパーカーに赤い血がついて、落とせてなかったらしい。だいぶ変な色だ。
っすー…意味ねぇなこれ…

「別に俺服無くても…」
「いや、流石に服1着でやりくりはきつい。私だって2着だぜ？」
「何の張り合いやねん！…どうしてこの服じゃあかんの？」
「…あー、服屋の店主が恐ろしい潔癖なんだよ。でも私みたいな変な奴相手に商売してくれんのそいつしか居なくて…
私もめっっちゃ気ぃ使って行くから…
…その服なぁ。入れてくれるか？」
「取り敢えず物は試しやろ」
「そんな難しい言葉知ってんのか…」
「馬鹿にされたよなこれ。よし戦争だ」
「やめろ。戦争は一部の人しか得が無い」
「その一部が俺だったりする」
「一部って勝者のことだわ驕れてんなよ」
「すいませんでした」

こいつノリ良いな…何のノリだよ。