Prolog ページ1
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ある日のこと。
いつも通り私は兄のレンと家で過ごしていた。
そんなとき。
大きな音と揺れがあった。
「なに?地震?」
レン「え、こわっ。様子見に行くか。」
「うん。」
そう言って椅子にかけてあった上着を羽織り、家の扉を開ける。
2人で家の外に出てすぐのこと。
レン「!、Aッ!」
突然そう叫ばれながら兄さんに強く背中を押された。
「え、なに、」
押されたせいで私はそのまま前に倒れてしまう。
なにすんの!と怒るため振り返ろうとすると、何かの液体が背中に飛んでくる。
嫌な予感を感じながらゆっくり振り返ると、大きな瓦礫の下敷きになっている兄さんがいた。
「なに、、なんで、、?ちょっと、兄さん!!しっかりしてよ!!」
慌てて兄さんの上に乗った瓦礫をどかそうとするけれど、女1人の力じゃどからせられるようなものでは無い。
レン「A、早く逃げて、」
「逃げる?逃げるってなにから!?そんな事より早く兄さんそっから出てきてよ!!」
涙目になりながらそう叫んでいると、兄さんは壁の上、見てみろ、と言った。
「壁の、上.....?」
そう言って壁の上を見てみれば、大きな巨人の頭が出てきていた。
「え、なんで、、あの壁、50mあるんだよ、?」
レン「巨人、なんでか知らないけど入ってきてんだよ、壁の中に。俺はもう動けないしもうじき死ぬから。俺の事はここに残してAは逃げて。」
「は?嫌だよそんなの!なんで兄さんを置いてかなきゃなんないの!?一緒に逃げようよ!!」
レン「A、俺の分まで生きて。もう時間ないの分かるだろ?お前まで死なないで、お願いだから、!」
「嫌!お兄ちゃんと一緒にいる!!」
いい大人になっても、ボロボロと涙を零しながらそう叫ぶ。
「なんでこんな急に!嫌だ!いや!」
私がそう泣き叫んでいる間に、兄さんは首についているペンダントを外して私の手に無理矢理握らせた。
レン「A、お願い。お願いだから生きて。大好き!!」
そう言ったあと兄さんは目を閉じた。
「ちょっと!!何勝手に死んでんの!!?ダメ!そんな急に死なないでよ!ねぇ!!!やだよ!!」
そう揺さぶっても反応はない。
涙を流しながらうずくまっていると駐屯兵団の女の人がやってきて、私はその女の人に抱えられて船の上に乗せられ、生き延びることになった。
最後に、兄が巨人に食べられているのを眺めながら。
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みかんかん(プロフ) - こんなお話が読みたかった!!ねぇさんかっけぇ! (11月19日 21時) (レス) @page29 id: 48f028211d (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - ねぇさん好きすぎます。 (11月18日 23時) (レス) @page26 id: 4b5ee6fd5a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃま(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです、、😭😭更新楽しみにしてます...!! (11月16日 23時) (レス) @page26 id: 6a1ddb5ea7 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - さすが我らがネェサン!!!!!!! (11月8日 22時) (レス) @page20 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 好きです!!一生ついて行きます姐さん!!!ー (11月6日 18時) (レス) @page16 id: bda3c5db2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:COCOA | 作成日時:2023年11月5日 19時