はじめまして。 ※前作ネタ ページ12
作者の前作『ねぇ、瀬名くん。』の番外編になります。情が傾きすぎて書きたくなってしまった……。
side,泉
『えっと、貴方が“セナ”くん?初めまして。皇Aって言います。レオの幼馴染……かな?』
にっこにこのれおくんが紹介してきたのは、深い栗色のふわふわした長い髪と同色の瞳を持つ、そこそこ整った顔の女子だった。
急に呼び出されたと思えば初対面の人間と会わされて、正直状況が掴めない。
泉「………初めまして。知らないなんてことはないと思うけど、俺は瀬名泉。アンタ、アイドル科の生徒?」
夢ノ咲学院アイドル科。それは女子禁制の学科だ。俺たちみたいなファンに夢を見せる若いアイドルはスキャンダルに特に気をつけなければならない。
もしれおくんが勝手に入れたのなら、バレないうちに追い出さないと。
『えーっと、私は…音楽科の方を受験したんだけど、何故かレオが先生に掛け合って、少し前から検討していた“プロデュース科”のお試し生徒として入学したの。
もしプロデュース科が実際に作られた時、ちゃんと機能するかっていうのを調べるための。……だから、実質アイドル科として扱われるかな。』
レ「Aは歌もダンスも上手いし、おれの面倒見るのも上手だぞ!」
『もう、誰のせいでこんな変な立場にいると思ってるの?』
しどろもどろになりながらも愛想笑いをしながら話し終えた皇。どうやら俺と同じ、この変人月永レオの被害者のようだ。
まぁ、不審者じゃないなら俺が警戒する必要はない。
泉「そう、ちゃんと立場があるならいいよぉ。不審者かと思っただけだから。プロデューサーならいつか俺も世話になるかもしれないし、その時はよろしくねぇ?」
社交辞令で笑って手を差し出すと、
『ふふっ、レオが言っていた通り、笑うと本当に綺麗。さっきまで不満そうだったのに。』
『改めて、プロデューサーの皇Aです。よろしくお願いします、瀬名泉くん!』
綺麗で落ち着いた風貌には少し不相応な、少し子供っぽい声が耳に響く。
少し口角を上げて優雅に微笑むのかと思ったら、真夏の向日葵のようにぱっと笑って握手を返した。
その笑顔に目を奪われて、しばらく握ったままじっと見ていた。
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かお(プロフ) - はじめまして!更新停止は悲しいですが、また更新して下さるのを待っています! (2021年6月26日 11時) (レス) id: 16a5bce890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春 | 作成日時:2021年4月1日 0時