キスの鎖 in×ar

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「、それ、、」



キスマークを指さすと、大ちゃんは困った顔をさせる

それに加えて、髪から垂れる水

ほんのり赤い頬


そんな顔が、どこか色っぽくてしょうがない



『消えないんですよ、』


「、そっか＿」


『気にならないんですか、いくら許嫁でもアレの相手にキスマークがあるなんて、、』



うん。気になるよ、と言いたいけど俺はそこまで根性はない



「特にはね、」


『、そ、ですよね。気にならないですよね、』



どこか、小さく肩をすくめる姿に俺はどうもできない

そんな俺は、ヘタレなんだろうな、



「…と、とにかく風邪ひいちゃうから早く着替えなよ、」


『あ。、バスタオルありがとうございます』


「ちょ！」


そう言うと脱水所から追い出される

ちゃんと、言えばよかったんだ、、


ちゃんと、、ちゃんと、、


俺の気持ちを言えば、、



.



俺がお風呂から出れば、もう大ちゃんはベッドに潜っていた

ゆっくりと、起こさないように布団に入れば大ちゃんとは逆の方を向いて横になる


目をゆっくりと閉じれば、すっとお腹に回る細くて小さな腕に反応してしまう



「…だ、いちゃん、？」


『…少しだけ、このままでいさせて下さい』



俺は、グッと力を入れて反対側を向けば大ちゃんと向き合う形になる

そっと肩に腕を回してあげる

これが、たぶん、



『伊野ちゃんは、落ち着きます』


「大ちゃんも、落ち着くよ、」



幸せって言うんだろうな…

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