尊重できないもの 40 ページ41
僕は返事ができない…話す元気もなくなった
確かに…夏目くんが言う通り夏目くんが掛かってなかったらこの前のライブに出なかったかもしれない…
「なので、零とも話した結果もう昔の紐は解こうということになりましたので…」
少しの沈黙
『ねぇ…渉』
「何でしょう…?」
俯きながら話す今の僕の姿を夏目くんが見たらどう思うんだろうとか…こんな時まで夏目くん1番で考えてしまう
夏目くんが呆れるのも分かるな…自分のこと何一つ気にしないんだもん僕…
『もう僕は必要ないのかな…』
夏目くんのそばにいられないのかな
「私は夏目くん本人じゃないので答えられませんね〜。こういう時は本人に聞くのが1番です!」
「ほら、おいでなさい夏目くん〜!」なんて言って空き教室のドアを開ける
え、
中から出てきたのは確かに夏目くんだった。
さっきの話全部聞かれてた…?
僕のこの酷い顔も見られてるんだよね…?
恥ずかしさと悲しさで心臓が締め付けられる
「ほら、恋ちゃん、ちゃんと自分の口でお聞きなさい〜!」
なんて、今度こそ薔薇を振りまく渉
覚悟を決めるしかない…もし必要ないって言われても悲しまないように…と心を決める
『夏目くん』
『僕は必要ない…?』
「………………必要ないとは言い切れなイ。寧ろボクにハ、ネェさんの存在が大きいヨ…でモ、ネェさんにはもっト、自分の事を大事にして欲しイ…………怒るネェさんモ悲しむネェさんモ苦しそうなネェさんモ 見たくなイ…」
綺麗な瞳を揺らしながら話す夏目くんは凄く様になる
でも、僕は夏目くんに心配されるほど自分のことを理解してなかったらしい
いつのまにか、悲しむ顔も怒る顔も苦しむ顔も見せてたらしい
『わかった………ごめんね…夏目くん、悲しませて心配させてごめんね。』
そう言い終えれば都合よくチャイムがなる
『じゃ、僕もう行くね』
その場から逃げるように教室に戻った
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Dell(プロフ) - ★さん» 初めまして、コメントありがとうございます。当作品の主人公は女の子です。ボクっ娘 となります。注意喚起しておりませんでした申し訳ございません! (2021年1月26日 17時) (レス) id: 84f4d254db (このIDを非表示/違反報告)
★ - 1つお伺いしたいのですが主人公は女の子ですよね?何故一人称が「僕」何ですか、、?ボクっ娘ですか?! (2021年1月22日 13時) (レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dell | 作成日時:2020年7月3日 20時