プロローグ ページ1
「人気アイドルと付き合っていた」と言われて、果たしてどれくらいの人が信じてくれるのだろう。
「ここはメインのキャンパスになりまーす！去年から改装工事をしていて今月終わったばかりなんですよ」
(わ…大きい建物…！)
見上げた先には存在感がある大学のキャンパス。あまりにも大きくて、雲一つない青空に吸い込まれてしまいそうだ。
「それでは、特別に中に入ってみたいと思います。ちゃんと着いてきてくださいねー！」
この学校の在校生だという女性に案内されて、私たちも歩き始める。
今日は、校外研修。
桜丘高校の２年生は、毎年５月に大学見学がある。
だんだんと近づく進路選択に向けて、進路を決めて行かなければならないこの時期に、こういう行事があるのはありがたい。１人だとなんか参加しにくいし。
「Aさー。本当に良かったの？勇次郎くんと別れて」
頼れる友人、福永律が私に問いかける。
「うん。良かったの」
自分に言い聞かせるようにはっきりとした口調で言う。
私は、高校１年生の時に付き合っている人と別れた。
「後悔してない？」
(…彼の邪魔には、なりたくないから＿)
「全然してないよ！ゆう…染谷くんに輝かしいアイドル人生を歩んでもらうためには、嘘ついた方が別れやすいでしょー」
学生鞄を肩に掛け直して、大袈裟におどけてみせる。
「へえ。“成海さん”って彼氏に嘘ついて別れたんだ」
「あ、」
後ろから聞いたことのある声がした。
ギギギッ…とおもちゃのブリキのように振り返ると、藍色の髪の男の子。
前髪がアシンメトリーになっている彼は紛れもない知り合いで。
(え、この人いつから背後に…？)
「…この後、少し時間あるかな？話したいことがあるんだけど」
まさか話しかけられるとは思っていなかった。背中に冷や汗が伝う。
「え、あの…予定がありまし＿」
「時間、あるよね？？？」
誰もが見惚れる笑顔で彼が
(あ、悪魔…)
こういう事態を『万事休す』というのだろうか。
The End(To be continued…)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほたる(プロフ) - 奈津さん» ありがとうございます！出来上がり次第、更新します！ (9月20日 6時) (
レス) id: 858ad6cafb (このIDを非表示/違反報告)
奈津(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、更新楽しみに待ってます！！ (9月19日 22時) (レス) @page4 id: 1b362c8584 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほたる | 作成日時：2023年8月22日 17時
