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"最後"の晩餐 ページ1

その夜は他愛もない会話をして寝ることにした。


彼らの寝室は2階で私の寝室は1階という謎の分け方をされている。

毎晩私の布団に入ってくるたぬきとか、寝ている時も起こそうとしてくる赤髪とか、寝ている時でもすぐ顔を近づけてくる紫の変態とか、酔って抱きついてくる酔っ払いがいないのはせめてもの安心だと思われる。


「何かあったら言うんだぞ」とうらたさんに言われ、少し警戒していたが部屋に入った途端度肝を抜かれた。
天井で光るシャンデリア、お姫様のようなベッドにソファ、テレビ、冷蔵庫も完備してあってそれはそれは船より豪華だった。


1冊本を読み終えて電気を消す。

久しぶりのこの感覚、妙に寂しさを覚えた。
船が恋しくなってしまうだなんて、いや、正しくいえばあの4人が恋しくなってしまった。

そんなに毒されていたんだと苦笑しながらベッドにダイブする。


私達は海賊の中では結構有名だ。懸賞金も高いし、こんな私なんかでも何千万かかっている。

そんな私達が気を許して泊まれる事はとても幸せなことだと知っていた。みんな私達を狙ってくる。お金に目が眩んだ人達が、私達の首を政府に持っていこうとする。

それを私達は斬らなければならない、撃たなければならない。
想像も絶するほど過酷なことだとわかって欲しい。
こっちだって、斬りたくて斬っている訳では無いのだ。


ふと、うらたの顔が思い浮かんだ。うらたって呼ぶことに対して最初は敬えだの"さん"をつけろだの言ってきたが諦めたようだ。
明日は出航だ、早めに寝なくては。


その時、廊下が軋む音が聞こえた。

*→



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作者名:あてぃー。 | 作成日時:2018年11月23日 9時

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