アヒルの涙 (ページ20)

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クリスマスページ20

『６時くらいに、来てもらっていい？』

クリスマスの朝にAから１通のLINE。夜勤のバイトが終わって、家に着いたタイミングで送られてきた。

まさかの展開に、俺はバイト中あり得ないくらいテンションが高くて。他のバイト仲間に彼女がついさっき出来たとひとしきり自慢してた。

時間まで一眠りしたいのに、冴えてしまって眠れない。

…なんて繊細なメンタルじゃない。

帰って来て、風呂入って爆睡。
あっとゆう間に約束の時間になった。

LINEに一緒に送られてきた地図見ながら、Aの家の前に到着。
家の前で深呼吸。出番、無いかもしれないけど、一応持ってきた小さな箱をぎゅっと握りしめた。

間違って落として見つかったりしないように、ちゃんとポケットにチャックついてるコートで来た。
これは、ミツの入れ知恵。
やっぱ、そーゆう雰囲気になる前に見つかると、結局それ目当てかよと思われかねないぞと。
さすが、地でチャラい男はアドバイスも違うわ(笑)参考になります。

ピンポーン♪

インターフォンを押すと、Aが返事して出てきた。

あ「いらっしゃいませ」

「…お邪魔します…」

女の子の独り暮らしの部屋に入るなんて初めてで緊張。
やばい。ここへ来て、異様に緊張してきた。
ドキドキよ止まってくれ！！！

「これ。一緒に飲も」

よくわからなくて、勧められるままに買ってきたワインを差し出すと、Aは嬉しそうに笑った。

あ「うん。ありがと！」

部屋からは美味しそうな香り。インテリアとかも女の子の部屋って感じでいちいち可愛いし、あー俺幸せ。

広めのワンルームだから、意識しなくてもベッドが目に入ってきて色々とヤバイ。

あ「適当に座って待ってて！テレビ朝日見ててもいーよぉ」

大学ではいつもパンツだったり長めのスカート履いてるのに、今日は短いスカート履いてる。
もーだめ。視覚的にノックアウト。
ポケットの上から、小箱握りしめる。

俺の様子がおかしいのがバレたのか、Aが首傾げてこっちへ来た。

あ「ニカちゃん？どうしたの？」

今の俺の現状バレたら、絶対引かれるだろうな…。