チョコの家 ページ19
沈黙が流れる。不思議と気まずさは無い。
あ「何で付き合うの?」
「…今、好きになったから」
あ「今、なんだ(笑)」
「今、Aが俺の彼女になってくれたら、特別に良いものあげるよ?」
あ「…なんだろ」
「彼女になる?」
あ「なる…かも」
「…かも?」
焦れったい。くすぐったい。なんなんだ、この甘酸っぱいやり取り。
あ「ちゃんと、私の事好きになったの?」
「なった。あの図書館で話した日から、Aのことで頭いっぱい」
そしたら、Aが恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑った。
あ「…私にとって、ニカちゃんはあの助けてくれた時からずっと王子さまだよ。
ずっと、好きだった。ずっと憧れてた。
ニカちゃん、ホントに私の事彼女にしてくれる?」
思いがけないAからの告白にびっくりしたけど、素直に嬉しくて、俺は自分のチョコレートケーキに乗った小さなチョコの家をAのお皿へ置いた。
「はい。特別に、あげる」
あ「…特別にくれるのって、まさかこのチョコの家?」
「うん。俺、この家が食べたかったからチョコレートケーキにしたんだし。
でも、彼女になってくれた記念で、あげる」
あ「…ふふ。ニカちゃん、ほんっとに、おバカ…(笑)」
幸せな暖かい時間が流れて、5時を告げる音楽が鳴り出した。カフェテラスも閉店だし、お互いバイトがあるから、俺たちの時間もタイムリミット。
「…バイト、入れなきゃ良かったね。
A、明日は?」
あ「…バイト」
ずこー。
ま、そりゃそーか。一人でイブもクリスマスも過ごすくらいなら、バイト入れるか。
あ「ニカちゃんは?」
「俺はこれから明け方までバイトだから、明日はフリー」
あ「…じゃあさ、明日の夜家に来る?私、バイト夕方で終わるし、一人暮らしだから」
大胆なAからの申し出に、俺の胸は一気に高鳴る。
それって…そーゆうことってとらえていいんだよね?
「う…うん。じゃあ、そうしようかな…」
あ「じゃあ、また連絡するね!」
あまり深く考えずに発した事だったのか、Aは手を振って去って行った。
あまりの急展開に、胸がドキドキする…。
ヤバイ。俺、彼女できちゃった。
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kanon(プロフ) - 大好きなニカちゃんのスピンオフみれて嬉しいです!本編もまだ途中ですがみっくんにものめり込んでます♪でもやっぱりニカちゃん好きなので嬉しいです!ありがとうございました! (2017年2月1日 19時) (レス) id: 21ebf13f97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2015年10月20日 21時