lucky color

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１週間が始まった。
食品メーカーにとって、春と秋は大きな新製品や季節商品が発売される時期だから慌ただしい。


昼過ぎまで来客対応に追われ、お昼休憩を取れたのは完全にランチ時を逃してしまった。



由夏「休憩取れるの遅くなっちゃってごめんね。今から行ってきて？」



「はい、いただきまーす」



いただきますとは言ったものの、社食はティータイムだし、コンビニで買ってきてもみんなが仕事してる中のデスクで食べるのも微妙。



「仕方ないかー…」



あんまり得意じゃないけど、コーヒーチェーン店で遅めの一人ランチ。



時間潰す本も無いし、スマホいじるにしても限度あるし。



そう思ってボンヤリ窓の外を眺めてると、横の席に誰かが座った。



「あ、すいません…」



少しはみ出してた荷物をこちら側に引き寄せると、その人はニッコリ笑ってペコッと頭下げてきた。



誰だっけ。
社内の人では無い気がするけど、見たことあるよーな気もする。



多分年上で、いかにも仕事できますって感じの格好いい人。
えーと、えーと、えーと、…あっ！やっぱ、わかんない。



『失礼ですけど、高橋Aさんですか？』



うわっ。何で名前知ってるの？
もしや、社外の来客の人？こーまーるーわからないー。



「…はい…。あの…」



『まじ？その反応…A、俺の事忘れんの酷くね？』



「すいません…」



『ガチ忘れかよ(笑)。覚えとけよー。

大学の先輩の、今井和哉っていいます。サークル一応同じだったんですけど？』



…今井和哉さん…っ！！！！思い出した。大学の先輩だ！



とは言っても、私が１年の時に４年だったし、ほとんど絡まないまま先輩は引退したから思い出はほぼ無いんだけど。




「あー！！すいません、お久しぶりです」



今井「顔見て思い出せないなんて重症(笑)。

東京出てきてたんだ？」



「はい。そこのビルです」



今井「まじ？すげー大手じゃん」



すげーって言った先輩も大手商社だし、海外との取引が密な部署にいるから１年の半分は外国にいるんだって。
そっちのが、よっぽどすごいと思いますけど。。。



同郷の人が恵美以外いなくて懐かしくて、時間を忘れて話し込んでしまった。

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