動揺 ページ11
どうしよう。目印消えちゃった。
すぐ見つけれて重宝してたのに…。
間違えてメッセージを開いてしまってから、数日間は何故か立ち直れなかった。
何となく、あれを未読にし続けてたのには意味があった。
私とみっくんを繋ぐ唯一のものだった。
なのに、くしゃみの勢いで触って開いてしまうなんて…。
お風呂から上がって、ビール飲みながらため息。そしたら…
ピコン♪
「あ…」
みっくんからだ。どうしよう。
でも、ずっと未読だったとこを既読に変わって数日でLINEが来たってことは、みっくんも時々私とのページ見てたってことなのかな?
…まさかね。偶然だよね。
のっぴきならない事情が、このLINEにはあるんだよね?
そう思いながら、おそるおそるメッセージを開けた。
『元気してる?』
たった一言、これだけ。なのに、じわっと涙が浮かぶ。
「…元気じゃ、ないよ…」
声だして泣きたいのを必死で堪える。
なんと返事しようか考えてると、追加でメッセージが来た。
『また、見つけたら送っていいかな?』
そのまま送られてきたのは、一輪だけ咲いた桜の写真。
我慢できなくて、涙がポロポロ溢れる。
「元気だよ」
「写真、ありがと。私も、綺麗なとこあったら送るね」
また、みっくんと繋がれた。泣きそう。いや、もう充分泣いてるか。
私が桜好きなの覚えててくれたんだ。
また、連絡くれるってこと?
それ以来、私の灰色だった毎日が、少しずつ桜色に変わっていった。
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作者名:さくら | 作成日時:2015年11月4日 21時