プーさんとOLさん

優しい人 ページ20

今日は、家まで送っていいか聞いてくれた。
嬉しかった。
今日もそのまま帰されたら、ちょっと拍子抜け。


定食やさんから家までほとんど距離は無い。
その間、みっくんはほとんどしゃべらなかった。
私が彼氏とのこと話して、しんみりしちゃったからかな。
ごめんね…



家の前の公園に着いて、バイバイしようと思ったら、みっくんが泣いた方がいいって言った。
溜まってたモヤモヤ吐き出したのに、あんまりスッキリしてなかったのは泣いてなかったからなのかな。


そう思ったら、自分でもびっくりするくらい大粒の涙が出てきた。
健永のことだけじゃない。
仕事しんどい。家帰ってきて一人なのも寂しい。この涙には、色んな思いがあるんだよ？
彼氏とうまくいってないだけで泣くような、
そんなヤワな女じゃないんだよ？



ホントは仕事好きだし独り暮らし気楽で楽しいけど、健永のことだけでこんなに泣いてるって思われるのやだ。
みっくんに伝わるはず無い強がりを、心の中でのしてた。
そしたら、いきなり暖かい、久しぶりの感覚に包まれた。



みっくんが、優しく抱き締めてきた。



プール終わったあとシャワーしたのかな。
石鹸のいい香り。
みっくんの洋服から微かにする香水みたいな香り。
いい香りするな…みっくん。



このまま、この腕に甘えてしまいたいけど…
さっき、ご飯食べてるとき彼女いるって言ってた。
だからダメだ。私がしっかりしないと、流されちゃう。



「みっくん彼女いるでしょ…？」



声絞り出す。でも、みっくんの腕に力が入ってきた。




北「Aちゃんが好き。彼女と別れる」



北「俺のとこ来て」




嘘でしょ？まだ出会って２日だよ？
嬉しいけど、信じきれない。
だんだん冷静になって、涙も引いてきた。



みっくんの顔見れなかった。
そのまま、走って逃げてきちゃった。




走ったからか、状況のせいなのか、私の心臓ドキドキしてて止まりそう。
どうしよう。
次会ったらどうしよう。



かばんをソファーに投げたら、スマホが飛び出た。




着信のお知らせは…光ってない。
今日も連絡無いんだな…。

その足で向かうのは Ki→←思わず… Ki

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