天才鬼殺少女は笑えない【KZ】【KZ×鬼滅】

#君を救う為 ページ24

彩目線です。

塾疲れます。

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なんで君がいるの？



なんで私の前に君がいるの？



私の目の前に居たのは紛れもなく"上杉君"だった。




『どうして上杉君が…？』




私は思わず呟く。



あぁ。何故君は。



そんなに優しそうな目で見つめる。




「立花…か？」




上杉君がやっと渋った声を出す。




やめて。




やがて上杉君はこちらに向かい歩いてくる。




やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて。




ねぇ何故貴方は。




『来ないでっ！』




私は叫ぶ。




お願い分かって。



私は君たちの事を守りたいの。




『お願いこれ以上近づかないで！』




私が壊れてしまう。




きっと私は自分に負けるの。




『お願いだから』




これ以上近づかないで。




スーと暖かい物が流れる。





私は私は。





"何をしたいの？"




『これ以上大切な人達を殺されたくないんだ』




お兄ちゃんが居たら私を静めてくれたよね。




奈子が居たら私を癒してくれたよね。




じゃあ私は何が出来るの？




何も出来ないじゃん。




私は死ぬしかないの。





でも。




兄と妹の仇を打つまでは私は




"死ねない"。




誰がそっと呟いた。




これは"夢"だと。




その声は




紛れもなく





"私"だった。






「立花…？」




上杉君の落ち着く低音ボイスが響く。




あぁ。これ以上君の声を聞くとダメ。




心配してくれるんだね。




でも私は




『私は立花ではありません』





嘘を付かないといけないの。









幸せが壊れる時はいつも


"血"の匂いがする。






その通りになるなんてあの時の私は






知らなかった。

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