第19話 ページ19
翌日、クリスはテイルス達の話に耳を傾けていた。なお、家政婦のエラや執事のタナカにバレないよう、テイルス達はチャックの屋根裏部屋に匿っている。アリスは足の負傷で屋根裏部屋に登れないため、チャックが開いたビデオ通話で話し合いに参加している。もちろん自室だ。
ソニックを初めとする彼らは、“カオスコントロール”と呼ばれる時空と空間の歪みが発生してこちらの世界に飛ばされてしまったらしい。それらを引き起こしたとある宝石について、クリスは疑問を口にした。
「カオスエメラルドって、何？」
「何、って言われても……カオスエメラルドは、カオスエメラルド」
「7つのカオスエメラルドを全部集めると、世界の全てが手に入るっていう伝説があるわ」
『世界の全て……か』
彼女は聞いているだけでアニメか夢の世界にいるような錯覚を覚えたが、これは紛うことなき現実だ。その証拠に傷を負った足の痛みが時間差でやってきている。
「しかし、そうはならなかった。伝説は伝説として終わったわけか」
「おわっちゃったのデスか？」
「終わりだろうなあ。カオスエメラルドが無くなってしまった時点で」
チャックはクリームのオウム返しに頷いた。その言葉で一同は静まり返るが、その沈黙を破ったのは窓際にいたソニックだった。
「無くなりはしないよ」
『ほ、本当？』
「カオスエメラルドは一旦7つ揃ったあと、またバラバラに飛び散ってしまうんだ」
「じゃあ、まだ何処かにあるわけだね？」
「That's right！」
クリスの言葉に返されたソニックのサムズアップに、沈みかけていた彼らの表情が戻る。そんな中、テイルスが口を開いた。
「最も、何処に飛び散ったかは……ボク達の元居た世界か、それともこっちの世界なのかさえ分からないんだけどね」
「でも、もしこっちの世界にあるなら7つの全てのカオスエメラルドを探し出して、再びカオスコントロールを起こせば……」
『みんなは元の世界に帰れる、ってことね？ソニックくん』
「ま、そういう事だな」
「すごい、お姉ちゃんがもうソニックの名前覚えてる！いつもは覚えるのに1週間以上かかるのに」
『も、もう！皆の名前もちゃんと覚えたのよ！えーとテイルスくんでしょ、エミーちゃんでしょ、それから…』
慌てる画面越しのアリスに、エミーは満足げにうんうんと頷いた。昨晩、ボーイフレンド(自称)をエスニックくんと間違えたアリスへエミーが落とした雷は、どんな薬よりも効いたようだ。
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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