第18話 ページ18
転がり込んだ病院での診察の結果、アリスもエリザも軽傷で済んだ。骨折こそしていないものの、アリスは医師の判断で暫くの間車椅子のお世話になる事になった。
これは完全に余談であるが、アリスが意識が戻ったエリザと再会したところ、彼女は頭に包帯を巻き所々傷だらけなのに構わず車椅子の彼女を見てわんわんと泣いた。
「アリス、アリス〜〜！！無事でよかった〜！！」
『え、エリザ！大丈夫だから落ち着いて……』
野次馬の患者がわらわら集まる中、オスカーやサラ、看護師や医者まで巻き込んでエリザを必死に慰めたアリスだったが、彼女の号哭はなかなか止められなかった。普段冷静なエリザの取り乱した姿はかなり衝撃的なもので、オスカーとサラも絶句していた。
･
そんなこんなで気付けば夕方。チャックとクリスの迎えで、アリスは帰路に着いていた。
『車椅子……無くてもいいんだけどなぁ』
「いいじゃないか。何よりお前が無事でよかった」
「そうだよお姉ちゃん。エッグマンのロボが占領したのがお姉ちゃんの大学って知ってから、ボク心配で心配で……」
『え、エッグマン居たの！？』
クリスに勢いよく振り返るアリス。本当に卵の怪人なのか、どんな見た目をしているのかその他諸々質問攻めに追いやったが、クリスは何も答えず苦笑するだけだった。心做しか彼の目はどこまでも天然でお気楽な姉を憐れむような、そんな目をしていた。
「そんな事より、ソニック凄く強かったんだよ！お姉ちゃんにもお話聞かせてあげるね！」
『本当？楽しみにしてるわ』
「ハハハ、そんな元気があるなら大丈夫じゃな」
『平気平気。なんなら多分歩けるし！よいしょっ』
「わ、立っちゃダメだよお姉ちゃん」
「そうじゃぞ。お前に見せたいゲストが居るんじゃ、また怪我なんてされたら困る！」
首を傾げる私に、クリスとおじいちゃんは目を合わせてニッカリと笑った。
＊
「ワタシ、クリームっていいマス。この子はお友達のチーズデス！」
「チャオ〜！」
「ボク、テイルス。宜しくね」
「アタシはエミー！これからお世話になるわっ」
『ねえクリス、ゲストってもしかして……』
「彼らだよ。皆ソニックの仲間なんだ」
「騒ぎが落ち着くまでワシの部屋に置いておくことにした。エラ達には内緒じゃぞ」
こちらを興味津々で見つめる4匹分の大きな瞳に金縛りにあったように固まるアリスは、取り敢えず彼らの名前を早く覚えなければと密かに決意を固めるのであった。
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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