第13話 ページ13
「アリス、本当に先に行ってていいのよ？」
『ううん、待ってるわ。エリザと行きたいし』
首を振るアリスに、エリザは｢ごめんね｣と申し訳なさそうに眉尻を下げた。10分程前の話である。エリザが忘れ物に気付き、アリス達は再びキャンバスへ戻ってきていた。何やら授業で使うファイルを忘れたらしいが、それは一向に見つかる気配がなかった。
「おかしいわね、確かここに……」
『手伝うわ、エリザ』
「ありがとう。本当にごめんね、アリス」
『いいのよ、気にしないで』
しっかり者のエリザが私物の置き場所を忘れるなんて珍しい。そう思いつつ彼女にロッカーを調べていいかを尋ねる。すぐにOKが降り、ロッカーの開け口に手をかけたその時、ズシリとした地響きをアリスは確かに感じた。
それはヒトが歩くかのような規則性で何度も繰り返され、その度に揺れの強さも大きくなってくる。エリザもそれに気付き、心配げに周りを見渡した。
「やだ、地震？」
『その割には地響きが変に規則的よね……。外はどうなって、』
ロッカーの脇には窓があり、とあるビルの最上階近くにあるキャンバスからは街を見渡すことができる。身を乗り出して街を見下ろしたアリスの目に飛び込んできたのは、悲鳴を上げて逃げ惑う人々、そして、
『え、』
街を蹂躙していく、巨大なロボットの姿だった。
＊
所変わってソーンダイク邸。エリア99からの救出を果たしソニックと合流したクリームにチーズ、そしてテイルスが外のテラスでティーパーティーを開いていた。チャックはテイルスのマシンに興味を持ったようで、またテイルスも機械バカの彼を気に入りすっかり意気投合し、会話を弾ませている。
そんな和気藹々とした空間に少年が血相を変えて駆け込んできた。クリスだ。
「テイルス！ソニック知らない！？」
「ソニックなら出て行っちゃったけど……どうしたの？」
「大変なんだよ、今街でロボットが暴れてるんだ！」
クリスの言葉にその場の全員が彼を見るが、次の言葉にはその顔をすぐに青ざめさせた。
「────あの街には、お姉ちゃんの大学が……！」
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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