第35話 ページ35
数日後、チャックの研究部屋のある屋根裏部屋。機械の中に厳重に保管されたカオスエメラルドは、相も変わらず翡翠色に輝いている。クリスとアリス、そしてテイルスはそれに目を奪われていた。
「こうして見ると、カオスエメラルドもただの宝石みたいだね」
「でも、すごいパワーを秘めているんだよ」
『クレーン車を暴走させるくらいだものね』
「ああ。じっくり分析を進めることにしよう」
そんな中、ノックが4つ部屋にこだまする。
3人と1匹が血相を変えて振り向けば、次には家政婦のエラの声が続いた。
「大旦那様！今日こそお部屋のお掃除をさせていただきます！」
資料や機械をいじられたくないから、といつも突っぱねているチャックだったが、エラの声色から今回は、いや、今回に限ってその手を使うことはできそうになかった。
クリスやアリス、チャックはいい。しかしここでテイルスが見つかるわけにはいかなかった。
「ど、どうしよう……隠れてテイルス！」
「えっ、どこに！？」
『テイルス！』
まごまごするテイルスを呼んだアリスは、丸型のカーペットの上に置かれたクッションに座って手招きしている。その意図を読み取ったテイルスは脇目も振らず彼女の足の上に座り、人形のように項垂れた。アリスはテイルスを抱きしめながら自分の考え……人形のフリ作戦が伝わったことにホッと息をつく。
クリスとチャックが平静を装った所で、掃除機を持ったエラが部屋へ入ってくる。ギリギリセーフだ。
「あら、お坊ちゃまにお嬢様。こちらでしたの」
「ご、ご苦労さま」
『え、ええ。ちょっと用があって』
「大旦那様、お外に出てくださいな。ここのホコリをやっつけるには時間がかかりますからねぇ……ん？」
どこかよそよそしい2人を差し置いて掃除機を起動させたエラ。しかしとうとう、アリスの腕の中のテイルスに目を止めた。笑顔を張りつけたまま冷や汗をかくアリスの腕の中のテイルスに、エラは顔を近付ける。
「おや可愛い！お嬢様のお人形さんですか？」
『そ、そう！可愛いでしょ、お母さんからの贈り物なの！』
「まあ! 相変わらずお優しい！お嬢様がお人形さんと一緒だなんていつぶりかし、ら……？」
若干震え気味の声でへらりと笑うアリス。何とか誤魔化せそうだ、と思った矢先だった。怪訝そうな顔で言葉を止めたエラに、アリスは腕の中のテイルスを見る。テイルスの目は前だけ見ていたはずなのに、エラに視線を動かしてしまっていた。
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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