【おそ松さん】鳥籠の華嫁【極道松】

8華目 ページ9

カラ松が街に出るというので、食堂へ足を運ぶ




朝からほとんど何も食べてないからお腹が空いた




チ「あれ桜？」

「チョロ松！！珍しいねこの時間に食堂にいるの」

チ「鍛錬してたらお腹すいちゃって、切り上げて来たんだ」




台所を漁るチョロ松はたしかに袴姿のままだ



6人の中でも几帳面な彼が鍛錬中に抜け出してきたってことはよっぽどお腹が空いていたんだろう




「そうだったの、何か作ろうか？簡単なものしかできないけど」

チ「いやいや組の姫にそんなことさせられないでしょ、僕が作るよ」

「チョロ松って…料理できるの？」

チ「少なくとも桜よりはできるよ」

「ひどくない！？私だって出来るわよ」

チ「…本当かなあ」




そう笑いながらもトントンと野菜をリズミカルに切る彼は本当に料理に慣れているようだ




「…私も何か手伝うわ」

チ「…じゃあおにぎり作ってそれくらいなら出来るでしょ」

「なんかそれ以外が出来ないみたいな言い方で引っかかるけど、いいわ」




野菜を切るチョロ松の隣で無言でおにぎりを握る



なんかこれって




「まるで新婚さんみたいね」

チ「はっ！？！？ぃった！！！！」




そうぽつりと呟いた言葉が聞こえたらしくわざとなんじゃないかと思うくらいオーバーにチョロ松が反応する




チ「なななななななに言い出すの！？」

「いやちょっとそう思っただけよ、そんなに嫌？」

チ「いや、嫌とかじゃなくて……そんなこと軽々しく言わないでよびっくりして足ぶつけちゃったよ」

「えぇ…冗談じゃない」




そんなに驚くこと言ってないと思うんだけど




チ「…あんまり他の奴らにそういう事言っちゃだめだよ」

「なんで？」

チ「なんでも！！…はぁ頭良いくせになんでこういう事には疎いの全く」




ぶつぶつと何やら言いながら淡々と料理を作るチョロ松を見て１つの疑問が湧き上がる




「そういえばチョロ松ってさ」

チ「何？」

「他人が握ったおにぎり食べられないんじゃなかった？」




そう、彼はかなり潔癖性なのだ、普段もあまり料理長が握ったおにぎりは食べようとしない




チ「あー、うん」

「ごめん握っちゃって」

チ「いや桜なら平気」

「なんで？」

チ「…なんでも」

「そっかあなんか嬉しいな」




へへ、と笑うと片手でチョロ松が自分の顔を押さえる



チ「またそんな顔する…」

「チョロ松顔赤くない？」

チ「気のせいでしょ、良いから早く作るよ」

「？うん」

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