85.高いところからの球 ページ10
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準決勝
青道 対 仙泉 は3回裏の時点で0−1で1点を追う形になっている。
先発は丹波さんだ。
甘く入ったストレートを狙い、
難しい球には手を出さない、
これが向こうの作戦だと思われる。
この回は0点に凌いだものの、
そろそろ1点返したいところだろう。
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春乃「やっぱり打ちづらそうですね…」
青道の攻撃に入り、春乃が呟いた。
A「うん。
2m…正確に言えば195cmの高さがあって、
重心がやや高め。
それに伴ってリリースポイントが高くなる……
球が低く決まればその分落差は大きくなる…
確かに打ちにくいかもしれない。」
と、思ったままに解説すると、驚いた顔で唯ちゃんとさっちん、貴子さんがこっちを見ている。
A「な、なに…?」
唯「いや、だって…ねぇ…?」
幸子「あんた…そんなに詳しくなったの…?」
礼「御幸くんのおかげかしらね」
A「いや、これ私の小学校の頃の体験談も含めてるから。
私まだまだヘナチョコだから安心して。」
というと少し安心した表情を見せる3人。
いやおい、失礼だな。
小学校のとき、
クラブチームのOBでよく高校生も来てくれてて、
もちろん身長差は30cmくらいあった。
だからいつもより高いところから足元を狙ってボールを投げられる分、
低めには反応していたつもりだけど、軌道や落下地点が読めなくて
しょっちゅう顔面にぶつけて鼻から血を流していた。
野球というスポーツ、そして打つとなるとまた変わるだろう。
しかし、
そんなこともお構い無しに、カーブに狙いを搾ったおかげか、打線がつながり始めた青道。
哲さんが2塁に出て、増子さんが送り、
1アウト1、3塁、打席には御幸。
チャンスに強い男だ、きっといいとこ見せてくれる。
そう思っていたのに相手は勝負には出ず、フォアボール。
ついにフルベースになった。
A「…不満そう。迫力よ……」
195cmの巨人投手、真木は『御幸と勝負してもよかったのに』とでも言いたげにマウンドの土を蹴っていた。
そして続く坂井さんもカーブをすくいあげた。
しかしその打球はとられた。
3塁にいた哲さんはタッチアップを試みたが、それもホームで刺されてアウト。
1アウト満塁のチャンスだったが、得点ならず。
この回、そして続く5回も無得点に終わった。
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ゆかり(プロフ) - 汐音2号機さん» こちらこそよろしくお願いします (2020年7月21日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
汐音2号機(プロフ) - ゆかりさん» ありがとうございます!これからも順に投稿していくので、何卒よろしくお願いします:-) (2020年7月21日 19時) (レス) id: e21875e94a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - はじめまして!展開が気になります! (2020年7月18日 10時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汐音2号機 | 作成日時:2020年6月27日 3時