銀ノ魂篇／ただ、救いに ページ21
大事なのは、星芒教が崇める偶像。それは炎をまとった、鳥の様なものだ。
そしてこの国でも、それは同じ意味を持った神獣として知られている。
鳳凰。
つまり、不死。
だから天導衆の残党は星芒教を取り込めた。虚を神として崇め従えば、『不死』が叶うと。
今各地でテロを引き起こしているのは、星芒教の連中だ。そしてこの江戸にも、星芒教は広まりつつある。
「
これで説明は終わりだ。今何が起こっているか、銀ちゃんも解ったろう。
「……Aは」
名前を呼ばれて銀ちゃんに目を向ける。何を言われるのか解らなくて首を傾げた。
「この２年、高杉と居たんだな」
「うん。銀ちゃんが江戸から居なくなってから割とすぐに、私も江戸を出た。まだ終わってないんだろうなっていうのは、解ってたから。お兄に会えたのはたまたま」
太陽には謎が多い。ただの猫にしては賢いし、傷を舐められると治りはしなくても痛みを感じなくなるし。
太陽について行ったら、お兄が居たし。
銀ちゃんの質問は、それ以上考えないようにする為のものに聞こえた。
「……この２年、俺達は別の場所で、同じもんのために動いてきた。先生を救うとは何なのか。その願いを叶えてやる事なのか、その存在を終わらせてやる事なのか。悩み迷い、そして結局……何も変えられなかった」
お兄が言う。
その通りだ、私達は結局何も変えられていない。
「だが……もういいだろう。もう充分だろう。先生は、お前は、もう充分苦しんだはずだ」
何度死んでも、何度人間に絶望しても、終われない。
大好きだった恩人を、師を、親を、斬らなくてはならなかった。
きっと私なんかには想像も出来ない程苦しんだろう。
だから……。
「救いてェなら救えよ。今なら、それができる」
もう我慢なんかしなくていい、苦しまなくていい。
自分がしたい事を、ただしに行こう。
「あの時救えなかったものを、ただ、救いにいこうぜ。奴等から、呪われた因果から、先生を救い出しにいこうぜ」
お兄は振り返ると、目を見開く銀ちゃんに少し笑う。
「今度こそ」
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なのは(プロフ) - 更新しないですか？楽しみです！(>_<) (4月23日 0時) (
レス) id: d007c1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
いな - 面白かったです！最初から一気に読みました！これからの展開が楽しみです！！ (2023年2月4日 10時) (レス) id: 200a1f85db (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続きが気になって目が乾燥帯になってます、続きとかは、もう出ないんですか？ (2022年8月9日 10時) (レス) id: c4efed8c6d (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続きはもう出ないんですか？気になって夜しか寝れません (2022年8月8日 22時) (レス) id: 79fd85110e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - わかさん» ありがとうございます、候補に加えさせていただきます (2021年8月31日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2021年2月13日 0時
