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銀ノ魂篇/味方かどうかは怪しいが ページ25

「だァァァァァ!!」


銀ちゃんが苛立った大声を上げた。

うん、気持ちはすっごい分かる。


「しつけェェェ!! 斬っても斬っても当たり前のように同じアホヅラ並べやがって!」


無数に向かってくる解放軍の群れは一向に途絶える気配が無い。雑魚のクセして数だけは立派だから、逆に辛くなってくる。


「金太郎飴かてめーら!! アホヅラ眺めてる間に地球が滅んじまうぜ」

「もう飽きたぁー!!」

「くそっ、こんな事してる間に源外さんがっ……」

「そもそももって、ホントにあのバカの勘は当てになんのかい」


総悟が最もな問いを口にした。

向かう当てが無いとはいえ、神楽にこのままついて行ってちゃんと平賀源外の元に辿り着くのだろうか。


「オイ、きいてんのか。オイッ!!」


神楽は総悟を無視してドンドン進む。解放軍の連中の頭を踏み越えながら振り返ってきた。


「埒があかない。銀ちゃんここは頼むアル!!」

「待て、神楽!! 神楽ァァァ!!」


そして振り返らずに先へ行ってしまった。その姿はすぐに見えなくなる。


「あのアホんだら、1人で何ができるってんだ!!」

「銀さん、早く追わなきゃ」

「オイッ!!」


突然トシが声を上げた。彼は夜空を見上げている。

解放軍も私達も揃って空を見上げて、すぐに顔を青くした。


「何アレ」


炎なのか、光なのか。片目じゃ判断しづらいけれど、それは間違いなく……。


「なんか……こっちに向かってきてない?」

「まさか……アレが解放軍の巨大兵器……!?」


嘘だって思いたいけどそれしか考えられない!!


「ウソだろ、こんなに早く……!? 逃げろォォ!!」

「逃げるってどこへェェ!?」


新八が叫んだ次の瞬間私は誰かに引き寄せられ、庇う様に抱き締められる。けれど誰なのか確認するより先に、それが落ちてきた。ドォォン!! と音を立て、振動が身体にくる。

数秒経って、それ以外の何も無い事を不思議に思って恐る恐る目を開ける。1番最初に見えたのは真っ黒い隊服で、顔を上げて蘇芳色と目が合って、それで私を引き寄せてきたのは総悟だと分かった。


「ありがと」

「おー」


いつも以上に素っ気ない返事を聞いてから、辺りを見回す。落ちてきたのは船らしく、それが通ったのであろう場所が凹んでいた。

船の出入り口が開き、誰かが出てくるのが分かる。思わず刀を構えた、のだけれど。


「あ、Aが居る。返事決まった?」


出てきたのは、ニコニコ笑う神威だった。

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作者名:ゆず | 作成日時:2020年10月19日 19時

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