お花見という名の酒盛り ページ45
本日は4月4日。晴天。
「「……げ」」
少し散り始めた、それでもまだまだ満開と呼べる状況の桜の樹の下、よく似た、けれど仲の悪い2人の声がピタリと重なった。
「そこをどけ、テメーら。そこは真選組の特別席だ」
「まだそんな事言ってんの、お前? だから進歩なくチンピラ警察24時って呼ばれんだよ」
「24時までは言われた事ねーよ!!」
「細けーな、教師か!!」
銀ちゃん、結局トシってチンピラなの教師なの。
相反してるけど、その2つ。
必死で万事屋をどかそうとするのはやはりトシだけで、他の隊士達は思い思いの所に座って早速酒盛りを始めていた。
かく言う私も、総悟に呼ばれてお酒を飲、
「何やってるの、Aちゃん!」
めなかった。
山崎が注いでくれたお酒の入ったコップを、怒った声と共に没収される。
後ろを向くと、やっぱり怒った顔のお姉ちゃんが居た。
「Aちゃん、まだ18歳でしょ? 未成年でしょ? ダメよ、こんなもの飲んだら」
「えぇー」
「取られてやんの」
「あ、君もでしょ」
「え」
頬を膨らませて不満の声を上げた私を笑っていた総悟も、同じようにお酒を没収される。
ざまーみやがれ。
「Aちゃんも君も、ダメよ、未成年のウチからお酒なんて飲んじゃ。あそこに居る馬鹿みたいになるわよ」
そう言ってお姉ちゃんが指さすのは、トシとまた飲み比べを始めた銀ちゃん。
それから、未だに不満を表情で表す私の頭を軽く叩いた。
「……そういえば、誰かですかィ」
総悟が興味津々な顔でお姉ちゃんに問う。
見れば彼だけじゃなくて、周りの隊士は皆そうだった。
お姉ちゃん美人だからなぁ。
「あ、初めまして。万事屋にこの前からお世話になってます、Aちゃんの姉の笠井四葉です」
「え、お姉ちゃん、そこは坂田四葉って言わないと」
「もう、何言ってるの!」
私の言葉に顔を真っ赤にしたお姉ちゃんに、隊士の顔がドンヨリと曇った。
総悟だけは、相変わらず興味津々の表情だったけれど。
「坂田って事は、旦那のコレですか」
そう小指を立てる総悟。古いよ。
「い、いや、そういうワケじゃ……君こそ、名前は?」
なんとか逃れようとしてか、お姉ちゃんがそう総悟に訊く。
「沖田総悟でさァ。Aの彼氏です」
「何言ってんだお前」
いつからだよ馬鹿野郎。
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ゆず(プロフ) - ももさん» はい、頑張ります! (2020年4月17日 14時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ゆずさん» 全然、大丈夫です!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ももさん» 教えてくださって本当にありがとうございます! 直しました。ちょっと台無しですね・・・、本当にありがとうございます。 (2020年4月17日 10時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 突然失礼します。ページ39の四葉が過去を振り返り終わった2文目、恐らく「銀時に惚れた」と書きたかったのでしょうが、「銀魂に惚れた」になってますよ。 (2020年4月17日 0時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます! 思っていた以上に四葉が皆さんに好かれていて本当に嬉しいです。期待に応えられるよう頑張ります! (2020年4月15日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年3月21日 18時