瑠璃色の桜篇/他人さん ページ41
ノックをせずに華夜の部屋の扉を開けると、彼女は待っていたとでも言うように怪しく嗤った。
私を見つめながら、ゆっくりと歩いてくる。
後ろの隊士達を制して、私は彼女をジッと見据えた。
「お帰りなさい、雅……と言いたいところだけれど。貴女はそんな感じじゃないわね」
「まあ、そうですね」
無表情で答えてから、隊士に手を向ける。
何も言わなくとも察して、手錠を渡してくれた。
「桜庭華夜。不逞浪士との違法取引の容疑で逮捕する」
他にもあるのかもだけど、今はこれだけで。
こういうの言うのいつもトシだから、罪状とかよく分からないんだよね。
華夜は意外と大人しく手錠をかけられながら、また口を開いた。
「折角引き取ったのにね……意味無かったわ」
やっぱり、真選組とコネをもっておく為だったのか。
ククク、と笑う彼女を冷めた目で見ていると、突然笑いを消したので少し驚く。
華夜は憎々しげな表情で私を見てきた。
「本当、いつもいつも貴女は私の邪魔をする」
今回の事の他に、何の事を言っているのだろうか。
きっと、私が産まれてきた事自体を言っている。
私が居たから、ここに嫁いできたから色々あったのだろう。
……でもまあ、そんな事私に関係ない。
「アンタなんて、産まなきゃ良かったわ」
その言葉に、私の後ろの隊士達から殺気が放たれた。
一応大事に思われてるんだなぁ、私。
産みの親に言われた言葉に傷付くよりも、その事実への嬉しさが勝る。
だから私は笑って言った。
「産んでくれてありがとね、
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ゆず(プロフ) - ももさん» はい、頑張ります! (2020年4月17日 14時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ゆずさん» 全然、大丈夫です!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ももさん» 教えてくださって本当にありがとうございます! 直しました。ちょっと台無しですね・・・、本当にありがとうございます。 (2020年4月17日 10時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 突然失礼します。ページ39の四葉が過去を振り返り終わった2文目、恐らく「銀時に惚れた」と書きたかったのでしょうが、「銀魂に惚れた」になってますよ。 (2020年4月17日 0時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます! 思っていた以上に四葉が皆さんに好かれていて本当に嬉しいです。期待に応えられるよう頑張ります! (2020年4月15日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年3月21日 18時