瑠璃色の桜篇/君が居たから、強くなれた。 ページ39
『好きにしろ』って、それってつまり、
「……良いの? これからも行って」
呆然と呟く様に言うと、父上は益々苦々しい表情になる。
それでも、否定はしなかった。
「それから、四葉。……良い友達を持ったな」
言い残して、父上は家へ向かう。
その後ろ姿をジッと見つめていたら、じわじわと、また松下村塾に行けるっていう実感が湧いてきて、思わずへたり込んだ。
「お、おい。大丈夫かよ」
心配そうに蹲んで私の顔を覗き込んでくる銀時に、ヘラッと力無く笑う。
手を伸ばして彼の首に手をまわして、そっと引き寄せた。
「……何だ」
「ありがとね、銀時」
久し振りの笑顔を浮かべて、私はそう言った。
本当に、ありがとう。
思えば、全部全部あれからだった。
銀時に惚れたのもそうだけれど、それだけじゃなくて。
どうしようもなく泣きたくなった時に胸を貸してくれた彼のように、優しくなりたいと思った。
心からの笑顔の隣に居た彼のように、強くなりたいと思った。
『自由に生きる為』っていう、運命と戦う理由をくれた。
『自由に生きる』っていう、生きる意味をくれた。
そうだ、そうだった。
なのに私は、いつの間にかまた、運命と戦う事を、自由に生きる事を、諦めていた。
もうやめよう、そういうのは。
私を強くしてくれた彼は、きっとそんな事しないから。
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ゆず(プロフ) - ももさん» はい、頑張ります! (2020年4月17日 14時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ゆずさん» 全然、大丈夫です!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ももさん» 教えてくださって本当にありがとうございます! 直しました。ちょっと台無しですね・・・、本当にありがとうございます。 (2020年4月17日 10時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 突然失礼します。ページ39の四葉が過去を振り返り終わった2文目、恐らく「銀時に惚れた」と書きたかったのでしょうが、「銀魂に惚れた」になってますよ。 (2020年4月17日 0時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます! 思っていた以上に四葉が皆さんに好かれていて本当に嬉しいです。期待に応えられるよう頑張ります! (2020年4月15日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年3月21日 18時