瑠璃色の桜篇/タレコミ ページ24
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」
夕飯を食べ終わった後は、この家族は基本的に自室で過ごす。
ここ数日の暮らしでそれが分かった私は、またコッソリとお姉ちゃんの部屋に来ていた。
お姉ちゃんは昨日までとはうって変わった、昔と同じ明るい笑顔で私の頭を撫でる。
「どうしたの?」
「真選組副長補佐として、伺いたい事があります」
少し戯けて改まった口調で言えば、お姉ちゃんも「はい」と笑いを堪えながらノッてきた。
「今我々はこの桜庭家を捜査しているのですが、部外者には限界があります。そこで、私がこの件限定で密偵となる事になりました」
「成程。それにしても副長補佐とは……凄いですね。新聞で見てはいたけれど……あ、そういえばAちゃん、色々な所壊し過ぎじゃない?」
「……えへっ」
心当たりがあり過ぎて、ニコッと笑って誤魔化す。
するとお姉ちゃんは本当に可笑しそうに吹き出した。
「コホン。それでですね、四葉さんに色々とお話を伺いたいと思っております。まず最初、この家がどのような不正を行っているのか」
そう問えば、お姉ちゃんも笑顔を消して真面目な顔になる。
難しい表情になって、頬に手を当てた。
「私は嫁なので、全部教えてもらったワケではないけれど……。夕食の時の会話からして、攘夷浪士への武器の横流しとか薬の売買とか、やっているみたい」
「薬の売買っていうのは、ヤバいやつ?」
「ヤバいやつ」
それで金を得てるのか。
家とか食事とか使用人の数とか、半端じゃないとは思ってたけど。
「後は……そうね、出世に邪魔な人を……」
「暗殺した、と」
「えぇ。プロを雇ったんじゃないかしら。お
って事は、桜庭家の人間を逮捕すれば芋づる式で結構な人数がお縄になるワケだ。
ちょっとワクワクしてきた。
「冬彦だけじゃなく、華夜と千景も関わってるの?」
「基本はお義父様だけどね。3人でたまに会議を開いて、相談してるみたいよ」
よし。それなら完全にこの家は潰れるから、お姉ちゃんも私も自動的に解放される。
上手くいきそうで、ホッとした。
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ゆず(プロフ) - ももさん» はい、頑張ります! (2020年4月17日 14時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ゆずさん» 全然、大丈夫です!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ももさん» 教えてくださって本当にありがとうございます! 直しました。ちょっと台無しですね・・・、本当にありがとうございます。 (2020年4月17日 10時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 突然失礼します。ページ39の四葉が過去を振り返り終わった2文目、恐らく「銀時に惚れた」と書きたかったのでしょうが、「銀魂に惚れた」になってますよ。 (2020年4月17日 0時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます! 思っていた以上に四葉が皆さんに好かれていて本当に嬉しいです。期待に応えられるよう頑張ります! (2020年4月15日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年3月21日 18時