瑠璃色の桜篇/諦めないのがアイデンティティ ページ19
なんかもう、頭がゴチャゴチャだ。
急に両親が現れたと思ったらその家がお姉ちゃんの嫁ぎ先で、お姉ちゃんを取り戻すチャンスだって喜んだのも束の間「戻らない」って言われて。
かと思えばお姉ちゃんに未来を視る力があって、父親と兄とは血が繋がってなくて、お兄が本当のお兄ちゃんで。
いや、なんかもう…………ハァ。
私の頭は新情報の嵐でキャパオーバーです。
「いや、俺の頭の方がおかしくなりそうなんだけど」
ここは万事屋。
銀ちゃんの向かいのソファに座ってため息をつけば、真顔でそう言われた。
「お前どんだけややこしい出生なんだよ。吉田Aでも桜庭雅でもなく、本当は高杉雅だったって事か? ワケ分かんねェんだけど」
「でもちょっと嬉しいかも。冬彦だとか千景だとかと血が繋がってるってより、お兄が本当のお兄ちゃんだったって方が」
「お前お気楽過ぎるだろ。攘夷浪士の妹だぞ? それが真選組の副長補佐やってんだぞ? どうなると思ってんだ」
「大丈夫大丈夫。この事はトシと山崎しか知らないから……あ、近藤さんもかな?」
「山崎って結構口軽いぜ」
「……え、マジで?」
っていうか、本題は私の生まれの事じゃない。
事実は事実で変わりようがないんだから置いておいて、今はお姉ちゃんの事だ。
「……お姉ちゃん、何で戻らないなんて言ったんだろ」
ポツリと呟くと、銀ちゃんがズーンと落ち込んだ。
「お姉ちゃん、そう簡単に心変わりするような人じゃないでしょ」
「……いや、でももう11年経ってるからな」
「でもね、おかしいの」
私がそう言うと、銀ちゃんは怪訝そうに「あ?」と返してくる。
「子供居ないのよ、お姉ちゃん。11年も経ってるのに」
本当に、一般的な、名家ならば。
妻の役割なんて、1番に来るのが跡継ぎを生む事じゃないだろうか。
その役割を11年経った今でも果たしておらず、誰一人としてそれを気にする様子も全くない。
「何かあるんだと思うんだけど……私に話してくれるかな、お姉ちゃん」
そう零すと、銀ちゃんは面倒そうに頭をガシガシと掻いて口を開く。
「話してくれるかな、じゃねーだろ。お前に話さなかったらアイツ、誰に話すんだ。諦め悪いのがお前の唯一の取り柄だろ」
「……酷くない? あ、そうだ銀ちゃん、真選組が桜庭家に乗り込むって時は銀ちゃんも来るんだからね」
「……は?」
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ゆず(プロフ) - ももさん» はい、頑張ります! (2020年4月17日 14時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ゆずさん» 全然、大丈夫です!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ももさん» 教えてくださって本当にありがとうございます! 直しました。ちょっと台無しですね・・・、本当にありがとうございます。 (2020年4月17日 10時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 突然失礼します。ページ39の四葉が過去を振り返り終わった2文目、恐らく「銀時に惚れた」と書きたかったのでしょうが、「銀魂に惚れた」になってますよ。 (2020年4月17日 0時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます! 思っていた以上に四葉が皆さんに好かれていて本当に嬉しいです。期待に応えられるよう頑張ります! (2020年4月15日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年3月21日 18時