瑠璃色の桜篇／未来を視る ページ15
家族揃って夕飯を食べるのが、この家の習慣らしい。
真選組じゃとっつぁんが奢ってくれた時くらいにしか食べられないような豪華な食事が毎日３食出てくるのだから、幕臣っていうのは凄いんだなと思う。
「そういえば、四葉さん」
今食卓についているのは５人。これで桜庭家が全員揃うそうだ。
１１年も結婚してから経っているのにお姉ちゃんに子供が居ないのを不思議に思っていると、そう華夜が口を開いた。
「今夜、�犹襪騰瓩發蕕辰椴匹い�しら」
「勿論です、お
……視る？ 何を？
私が不思議そうな顔をしたのに気付いたからか、正面の千景が少し笑って私に説明してくれた。
「そうか、雅は知らなかったね。四葉はね、�猝ね茲鮖襪覘畛�が出来るんだ」
「…………え？」
未来を、視る？
何それ、初めて聞いた。お姉ちゃん、今までそんな素振り１度も見せた事無かった。
信じられなくて、お姉ちゃんに見開いた目を向ける。
でもお姉ちゃんは否定するどころか、少し困ったように、申し訳なさそうに、笑うだけだった。
「だから時々、この家の未来を視てもらっているんだよ。そのお陰で我が家はこんなに繁栄したんだ」
……じゃあ、もし。もしお姉ちゃんが、真選組が桜庭冬彦を逮捕する事を予言したら。
証拠を完全に消されて、逮捕出来なくなるかもしれない。
そしたら私の計画は完全に失敗だ。
お姉ちゃんを連れ戻せないどころか、真選組に帰る事も出来ない。
真っ青な顔でそんな事を考えていたら、「そうそう」と冬彦がにこやかに言った。
「雅に見合いの話が来てね。１週間後だ。準備をしておくように。恋仲の男性とか、居ないだろう？」
最後に付け足すようにされた確認に、「まあ」と頷く。
……そう、居ない。恋仲どころか、好きな人も居ない。
でも、何でだろう。
どこの誰かも分からない男と見合いさせられるのが嫌なのは。
良い相手かもしれないって、前向きな気持ちになれないのは。
総悟の顔が、頭に浮かぶのは。
悶々と悩む私を、お姉ちゃんが悲しそうに見つめていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 246人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - ももさん» はい、頑張ります！ (2020年4月17日 14時) (
レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ゆずさん» 全然、大丈夫です！これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ももさん» 教えてくださって本当にありがとうございます！ 直しました。ちょっと台無しですね・・・、本当にありがとうございます。 (2020年4月17日 10時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 突然失礼します。ページ39の四葉が過去を振り返り終わった2文目、恐らく「銀時に惚れた」と書きたかったのでしょうが、「銀魂に惚れた」になってますよ。 (2020年4月17日 0時) (レス) id: 3ad4efd6ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます！ 思っていた以上に四葉が皆さんに好かれていて本当に嬉しいです。期待に応えられるよう頑張ります！ (2020年4月15日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2020年3月21日 18時
