汚れても護らなければいけないものがある ページ15
「奴等、なんでお前をさっさと殺さないネ」
「さあな。俺をエサに
ぶっきらぼうな問いにぶっきらぼうに答えてから、沖田はチラッと横を見た。
「
「レディはお眠りアル。夜更かしは美容の大敵アルからな」
「お眠りじゃねーだろ、テメーが気絶させたんだろうが」
金髪の男が喋り出した途端の鈍い音は、ハッキリと沖田の耳にも届いていたのだ。
霧江の方の頭にはタンコブでもできている事だろう。
「普通、話聞かせたくないからってパチギきめて気絶させるか」
呆れながら彼が問えば、神楽は目を伏せた。
さっきまでの大声が嘘の様に、小さい声で言う。
「……どうしても隠したい事があるみたいだったから」
「……さっきまでガキにホントの事話せって言ってたのに、随分と心変わりしたもんだ」
その心変わりに、沖田は救われたワケだが。
「まっ、礼を言うぜ。こんな状況で横でガキにメソメソされたらかなわねーからな。泣きてーのはこっちだって話だ」
「いつになく弱気アルナ」
「Sは打たれ弱いんでェ。もちっと繊細に扱ってほしいもんだよ」
「お前、どんな生き方したらこれだけ人に恨まれるアルか。命が幾つあっても足りないネ」
神楽にとってみれば、会話の流れでの何気ない問いなのだと思う。
けれど沖田は、いつもの様に流す事はしなかった。
「人を殺して生きてるからさ。今さらどっかのガキの恨みが1つ2つ増えようが変わりゃしねェ。人殺しには違ェねーからな」
Aの話では、真選組が出来たのは彼女達が今の神楽と同い年の時らしい。
だからだろうか、2人と神楽は4つしか歳が離れていない筈なのに、もっと離れているように感じる。
「けっこうな殺人鬼アルナ。恨みは幾つでも買うが、女の子1人のメソメソにも耐えられないアルか」
「ガキにゃわかるめーよ。てめェの手汚しても、護らなきゃいけねーモンってのが世の中にはあんだ」
ほら、またガキ扱い。
「汚れちまった目ん玉だからこそ見える、汚しちゃならねェモンってのがあんだよ」
沢山の屍を踏み越えて生きてきた18歳は、涼しい顔でそう言うのだ。
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ゆず(プロフ) - リヒトさん» すごく嬉しいです、ありがとうございます! 折角春休みなので、更新ドンドンしていこうと思います! (2020年3月16日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
リヒト(プロフ) - もう好きすぎて1日で全部読んで何回も繰り返して読んでます!!笑これからも更新頑張ってください!!めっちゃ応援してます!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» またコメントくださってありがとうございます! 受験なんかに負けず頑張ります! (2020年2月26日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
% - 続編おめでとうございます!ゆずさんの紡ぐ物語は読んでいて心地良いです!カッコいいと可愛いを兼ね備える美女は正義ですね(謎理論) 更新頑張ってください!応援してます! (2020年2月26日 8時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - somariさん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2020年2月25日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2020年2月21日 17時