7日目 ページ49
そして7日目。
松平のとっつぁんが、奏多を迎えに来た。
「すまねーなァ、Aちゃん。子供苦手だって言ってたのに」
「いや、別に……意外と良い子だったし」
「何でAだけなんでィ。俺も巻き込まれたのに」
奏多の頭をポンポンと叩きながら私にだけお礼をしたとっつぁんに、総悟が唇を尖らせる。
すると「そうなのかァ?」と驚いた様にとっつぁんが私に確認してきた。
いやまぁ、気持ちは分かる。総悟が子供の世話をするだなんて意外過ぎる。
「じゃあ後で2人にご褒美あげちゃおうかな、おじちゃん」
「やったぁ、ありがととっつぁん!」
「高級レストランの食事代か宇宙旅行のチケットで」
総悟の高過ぎるリクエストに流石に無理だろ、と思っていたら、「おう、良いぜ」ととっつぁんが気軽に了承したので驚いた。
アンタそんなに給料貰ってんの? 警察庁長官ってヤバイな。人は見かけによらないってこの事だ。
「じゃあね、奏多」
少し屈んで目線を合わせ、頭をクシャクシャッと撫でる。
総悟みたいにサラサラだ。
「うん! Aねーちゃんも総悟にーちゃんも、ありがとな!」
「いいからさっさと行け、クソガキ」
顔を背けながらシッシッと手を振った総悟の肩に、私が奏多を持ち上げて座らせる。
「いぇーい、肩車だぁ!」
「おいA!」
「ドS属性だけじゃ飽き足らずツンデレまでとかダメに決まってんだろ」
「何言ってんでィ」
そう言いつつ落とさないところがツンデレである。
どこまで贅沢設定にするつもりだこの野郎。
ゆっくりと、でも割と雑に奏多を下ろして、総悟が私の頭を軽くペシンと叩く。
ビックリする程痛くなかった。
「またなー!!」
「バイバイ」
大きく手を振りながら大きい車に乗り込む奏多に、ヒラヒラと手を振る。
隣で総悟も、欠伸を噛み殺しながら同じ事をしていた。
「総悟」
「あァ?」
遠ざかっていく車を眺めながら、私は少し笑った。
「子供、ちょっと好きになれそうかも」
「……ヘェ」
返事は素っ気なかったけど、その表情はやっぱり柔らかかった。
後書きと13巻以降へのリンク→←これが俗に言うデレというヤツ
82人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - リヒトさん» すごく嬉しいです、ありがとうございます! 折角春休みなので、更新ドンドンしていこうと思います! (2020年3月16日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
リヒト(プロフ) - もう好きすぎて1日で全部読んで何回も繰り返して読んでます!!笑これからも更新頑張ってください!!めっちゃ応援してます!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» またコメントくださってありがとうございます! 受験なんかに負けず頑張ります! (2020年2月26日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
% - 続編おめでとうございます!ゆずさんの紡ぐ物語は読んでいて心地良いです!カッコいいと可愛いを兼ね備える美女は正義ですね(謎理論) 更新頑張ってください!応援してます! (2020年2月26日 8時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - somariさん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2020年2月25日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2020年2月21日 17時