わたの原

明日の予定 ページ47

縁側に座り込んで荒い息を吐くトシの右肩に私、左肩に総悟がポンと手を置く。




「お疲れ、トシ！」


「そのままくたばれ土方」


「何でお前らそんな笑顔なんだふざけんな」




案の定ヘトヘトになるまで奏多に付き合わされたトシが睨んでくるけど、いつもより覇気が無い。


ニヤニヤしながら眺めていれば、肩に置いた手を振り払われた。



「何だよー、おっさんもうダメなの？」


「誰がおっさんだクソガキ……！」


「それ子供に見せる表情じゃないよトシ」




元々顔怖いのにそんな表情したらダメじゃん。


女の子とか赤ちゃんだったら泣いちゃうよ？




「でも真面目な話、これが後２日続くとかしんど過ぎるって」


「えぇ〜！」




私がそう言うと、奏多が不満気な声を出して頬を膨らませる。


ちなみに７日目の午前中にとっつぁんが迎えに来てくれるらしいので、面倒をみなければならないのは実質後２日なのだ。




「昨日は大人しかったじゃねェか。頼むから明日と明後日もああしててくれ」


「絵ぇ描くのもテレビ観るのも飽きた」


「じゃあAとどっか出掛けろィ」


「何で私だけになってんの、アンタもだかんね」




ジトッとした目で見ると、総悟はチッと舌打ちをする。


１人だけ逃げられると思うなよ。




「あ！ じゃあねぇ、俺明日映画観に行きたい。今やってるんだよ、サムライジャーの映画」


「へぇ……？ まあ良いや、遊ばなくて済むなら」


「特撮モノかよ。俺パスで」


「ふざけんな」

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