悪党だらけの この素晴らしき世界 ページ32
宇宙を飛ぶとある船の檻の中、痩せ細った女が虚な目をして笑っていた。
「ちょうか……はんか。ちょうか……はんかァ」
「じゃあ……丁」
女が伏せていたお椀を持ち上げる。
「ふふふ〜、はんじゃ……」
残念、外れ。
サーモンピンクの髪の青年は笑う。
「ありゃりゃ、負けちった」
「うふふ」と檻の向こうで笑う女の姿を見て、阿伏兎が「嘆かわしいねェ」とこぼした。
「春雨第四師団団長華陀といえば、かつては
ハァと溜息をつく。
「まさかこんな姿でご帰還たぁね」
「ホントだね。まさか阿伏兎の好みがこういう女狐だったなんて」
「地球産の女に惚れてるガキにはわかるまい。世の中なんでも手の平サイズになっちまったがねェ、女だけは手に持て余すくらいが丁度いいんだ」
「俺は別にAに惚れてるワケじゃないよ。強いから子供も有望そうってだけ。持て余すって、DS位?」
「本当か? んにゃ、メガドライブ位だ」
「本当だよ。成程、道理で今迄捜し回っても見つからないワケだ。なんせ阿伏兎お気に入りのメガドライブだもんね〜」
神威の言葉に、阿伏兎がピクンと反応する。
嫌そうな顔で神威を見た。
「でも残念ながら、
そう言ってカツカツと歩いて行く神威に、冷や汗を垂らす。
「オイ、妙な勘ぐりは止めろ。どっかのバカ団長じゃねーんだ、仕事にそんな私情もち込んでたまるか」
「ハイハイ」
「そもそもコイツはツラも名前も変えて地球に逃げてたんだぞ。んなモンわかるわけ、」
「ハイハイ」
完全に聞き流しながら、神威は「まァいいさ」と呟いた。
「そんな事より、また
華陀を地球で失脚に追い込んだのが銀の男だというのは、神威の耳にも届いていた。
「Aに返事聞きに行くついでに、そろそろホントにお礼しにいかなきゃいけないかな」
紫色とすれ違う。
左目に包帯を巻いたその男は、もうずっと聞いていない名前に少しだけ反応した。
同時に振り返った青色と翡翠色が交わる。
「侍に」
82人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - リヒトさん» すごく嬉しいです、ありがとうございます! 折角春休みなので、更新ドンドンしていこうと思います! (2020年3月16日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
リヒト(プロフ) - もう好きすぎて1日で全部読んで何回も繰り返して読んでます!!笑これからも更新頑張ってください!!めっちゃ応援してます!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» またコメントくださってありがとうございます! 受験なんかに負けず頑張ります! (2020年2月26日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
% - 続編おめでとうございます!ゆずさんの紡ぐ物語は読んでいて心地良いです!カッコいいと可愛いを兼ね備える美女は正義ですね(謎理論) 更新頑張ってください!応援してます! (2020年2月26日 8時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - somariさん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2020年2月25日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2020年2月21日 17時