第6話 ページ8
ここには向かいとこっちで7部屋あるようだ。
洗面所を出て左はさっき青年が出てきた
部屋だった。
扉を開けるとすぐに街の雪景色が
目に飛び込んでくる。
部屋の奥には大きな窓があった。
壁は木目調、床は焦げ茶で
深紅のソファーが向かい合わせで
置かれていた。
きっとここは応接室なのだろう。
なかなかシックな部屋だな。
そう思いつつ扉を閉めた。
その部屋の隣には
兎のキーホルダーの部屋があった。
トーカさんごめん。
私は扉を開けて部屋を覗く。
部屋には意外と女子っぽい小物が多く、
ベッドには大きな兎のぬいぐるみがあった。
その隣には制服がかかっていた。
制服か。
…私には縁のない代物だ。
そのまた隣。
誰の部屋かはわからないが
とりあえず開けてみた。
が、真っ暗で何も見えない。
窓にはカーテンがかかっているようだ。
仕方ないので電気をつけてみるも、
ついた明かりは僅かだった。
かろうじて見えたのは
電源のついていないパソコン、
ぎっしりとほんの詰まった本棚だった。
本棚に入っているのは格闘技の本が
殆どだったが、たまに漫画も
混じっているようだ。
きっと若い男の子の部屋なんだろうな。
その隣とその向かいは客間だった。
ベッドのシーツはピシッと張られ、
屑籠の中のゴミは全て片付けられていた。
まるでホテルだ。
どんな人が泊まるのだろうか。
向かって左から2番目の部屋に入る。
そこは応接室と同じような雰囲気で、
ベッドから箪笥、机にいたるまで
アンティークな家具で埋め尽くされていた。
まさしく「あんていく」だ。
でもその部屋にはなくてはならない何かが
足りないような気がした。
最後の部屋だ。
まずドアノブからして違う。
ドアノブは丸っこいハート型で
中心には、りすがデザインされている。
扉を開けると、
そこはとても女の子らしい部屋だった。
純白のベットは丸みを帯びたデザインで、
クローゼット、ドレッサーまであった。
また窓のそばには大きな勉強机があり、
原稿用紙、パソコン、万年筆が
用意されている。
とても素敵な部屋だ。
だが、ここには生活感というものが
まるでなかった。
誰も住んでいないのかもしれない。
部屋を出るともう7時だった。
客の声も聞こえない。
きっとそろそろ店が閉まる頃だ。
私は下に降りることにした。
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623 - フリスクでめちゃ笑いました。これからも期待してます！ (2018年6月23日 13時) (
レス) id: 09c8ed6a2a (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの吹奏楽部(プロフ) - eyeさん» コメありがとうございます。 わらび餅は加工品で原作のウタさんのおやつみたいな感じで、 わらび餅狂の作者がオリジナルで作ってしまっただけなので原作には登場しませんね。 登場期待していますw (2017年12月29日 7時) (レス) id: a97a7b3a4c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 喰種用のわらび餅とかあったんだw初めて知りました (2017年12月29日 2時) (レス) id: 4cc54018e6 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 面白いです♪更新頑張って下さい! (2017年10月30日 14時) (レス) id: fd6fe91d43 (このIDを非表示/違反報告)
萃(プロフ) - とても面白いです！更新、修正が早いので、さくさくと読み進める事ができました！これからも頑張って下さい！ (2017年10月25日 18時) (レス) id: 5e52a545e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さすらいの吹奏楽部 | 作成日時：2017年10月14日 0時
