第39話 ページ45
翌日、私は
自室に差し込む朝日で目を覚ました。
どうやらカラコンを付けっぱなしで
寝ていたようで、物凄く目が乾く。
時計の針は7時を指していた。
昨日の記憶を整理する。
まず、朝おきて、家を出て、CDを買いにいって…
そうだ。
ヒナミちゃんは無事だろうか。
下に降りてみる。
トーカ「良かった。起きてきたんだ。」
A「おはようございます。
…ヒナミちゃん
…ヒナミちゃんは無事ですか？」
トーカ「それなら心配ないよ。
…でも、昨日からずっと塞ぎ込んでるみたい。」
「で、あんたも身体は大丈夫なの？」
A「ん、ぜーんぜん大丈夫ですよ。」
というかそもそも事後の記憶が飛んでいる。
どうやってここに戻ってきたんだ…？
トーカ「金木が運んできてくれたみたいよ。」
「とりあえずヒナミと話してきたら？
部屋に居るから。」
それと、とトーカは付け足した。
「あんたがいるのは現在のこの場所ってこと。
…忘れないでよ。」
どうしたんだ…いきなり。
私は少し首を傾げつつヒナミに会いに行った。
こんこん。
「ヒナミちゃん。入ってもいいですか？」
返事がないのでYESということにしておこう。
部屋に入るとヒナミちゃんは
ベッドの上に座っていた。
一人で寝るには大きすぎる
ダブルベッドの窓側には、
もう1つポツンと枕があった。
「お母さんの事は、ヒナミちゃんが
自分を責める必要はないですよ。
ヒナミちゃんのお母さんは、
最期にヒナミちゃんと居られて
嬉しかったんですよ。」
きっと涼子さんは最期もあの優しい笑顔で
微笑んでいたのではないか。
「お母さんは、ヒナミちゃんの笑顔が
見たかっただけなんですよ。」
「それと、勘違いしているかもしれないけど
ヒナミちゃんは独りぼっちになんて
なっていないですよ。」
私達が、ずっとそばにいますから。
「そうだ、お母さんが最後になんて言ったか、
当てましょう。
…当たったらヒナミちゃんが隠してるわらび餅
一口くださいね。」
ヒナミちゃんの口角が少し上がる。
この調子だ。
そして、私は存分に溜めをつくって言った。
…いつの日かの古間さんみたいだな。
でも、多分これで合っているはず。
「生きてって言ったんじゃないですか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
623 - フリスクでめちゃ笑いました。これからも期待してます！ (2018年6月23日 13時) (
レス) id: 09c8ed6a2a (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの吹奏楽部(プロフ) - eyeさん» コメありがとうございます。 わらび餅は加工品で原作のウタさんのおやつみたいな感じで、 わらび餅狂の作者がオリジナルで作ってしまっただけなので原作には登場しませんね。 登場期待していますw (2017年12月29日 7時) (レス) id: a97a7b3a4c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 喰種用のわらび餅とかあったんだw初めて知りました (2017年12月29日 2時) (レス) id: 4cc54018e6 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 面白いです♪更新頑張って下さい! (2017年10月30日 14時) (レス) id: fd6fe91d43 (このIDを非表示/違反報告)
萃(プロフ) - とても面白いです！更新、修正が早いので、さくさくと読み進める事ができました！これからも頑張って下さい！ (2017年10月25日 18時) (レス) id: 5e52a545e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さすらいの吹奏楽部 | 作成日時：2017年10月14日 0時
