第38話 ページ43
闇雲に走っていると
何やら物騒な匂いが漂ってくる。
CD屋とは逆方向に向かっているはずだが…
やがて、雨は土砂降りになった。
駄目だ。
匂いが散っていく。
けれども走っていくと、
どこかで嗅いだ覚えのある匂いがしてくる。
その先には路地裏。
と同時に血と肉の匂いが鼻にくる。
頭の中に浮かぶ、最悪のパターンが
私の足取りを重くする。
この角を曲がれば。
90度の急カーブをして、顔を上げた。
ザンっ
瞬間、物体が宙を舞う。
クインケを振るう白鳩2人。
その真ん中にいる首なしの身体。
宙に見えたのは、
ただの、たった一人の母親だった、
その残骸であった。
「く、は」
フラッシュバックする忌まわしい記憶が
それと重なって再生される。
頭が割れる
息が詰まる
心臓が痛い
膝の力が抜けていく。
燃え上がるように腹が熱い。
流れてきた血が跳ねて、
ワンピースに紅く水玉模様を作った。
耐えられなくなって地面に膝をついたとき。
突然上から声が降ってきた。
「大丈夫ですか？」
返事をしようと顔を上げかけると、
白いコートが目に入った。
こっちにも白鳩…いつの間に。
その奥には、圧倒的な存在感を放つ者がいた。
眼鏡、白髪、長身。
どっしりとしているようで
今にも風に吹き飛ばされてしまいそうなほど
儚い立ち姿。
_________有馬、貴将。
何でこんなところに…
A「だ、大丈夫です。」
私はたまたま鞄に入っていたフリ○クを
ひと粒口に入れ、飲み込んだ。
薬のつもり。
そのまま走り去ると、
向こうは追いかけて来なかった。
気付かれてはいないようだ。
しかし、燃え上がるような感覚は
依然として治る気配がない。
私は間一髪誰もいない路地に逃げ込んだ。
瞬間、私を押さえつけていた何かが弾け飛ぶ。
「うああああああああああああああああッ！」
____________________________________
その頃、有馬のところでは。
宇井「…行っちゃいましたね、有馬さん。」
有馬「ああ。
というかあれ薬っぽかったけど
絶対フリ○ク…」
平子「その辺にしておきましょう。
…人には触れられたくないところも
あるんですよ。」
有馬「そ、そうか…。」
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623 - フリスクでめちゃ笑いました。これからも期待してます！ (2018年6月23日 13時) (
レス) id: 09c8ed6a2a (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの吹奏楽部(プロフ) - eyeさん» コメありがとうございます。 わらび餅は加工品で原作のウタさんのおやつみたいな感じで、 わらび餅狂の作者がオリジナルで作ってしまっただけなので原作には登場しませんね。 登場期待していますw (2017年12月29日 7時) (レス) id: a97a7b3a4c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 喰種用のわらび餅とかあったんだw初めて知りました (2017年12月29日 2時) (レス) id: 4cc54018e6 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 面白いです♪更新頑張って下さい! (2017年10月30日 14時) (レス) id: fd6fe91d43 (このIDを非表示/違反報告)
萃(プロフ) - とても面白いです！更新、修正が早いので、さくさくと読み進める事ができました！これからも頑張って下さい！ (2017年10月25日 18時) (レス) id: 5e52a545e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さすらいの吹奏楽部 | 作成日時：2017年10月14日 0時
