第35話 ページ40
次の日、
あんていくには珍しいお客が現れた。
いつだったかこの店で
肉をもらっていったあの人だ。
しかも今日は10代前半の、
まだ幼さの残る少女を連れている。
きっとお子さんなのだろう。
芳村「今日から部屋を貸す笛口さんだよ。」
笛口さん「笛口涼子です。
お世話になります。」
???「わっ…私は笛口雛実です。
よろしくお願いします…。」
優しそうな子だ。
A「で、その後金木くんは
食事中のヒナミちゃんを
覗いたってことですか？」
金木「ぐ…
まあ概ねそんな感じです…」
A「何やってんですか!!!
研ちゃんをそんな子に
育てた覚えはありません！！！」
ふざけてお母さん口調で言ってみる。
しかし金木くんは少し悲しそうに言った。
「まるで、お母さんみたいだね…。
…僕、お詫びにヒナミちゃんに
コーヒーを持っていくことにするよ」
…どうやら地雷を踏んでしまったようだ。
金木はコーヒーを淹れ、
ぱたぱたと2階に上がっていった。
その後、金木くんとヒナミちゃんは
無事に仲直りできたようだ。
ヒナミ「A姐さん！
ヘッドホン貸して！」
ね、姐さん…？
どうやらヒナミちゃんは私がいつもつけている
ヘッドホンをつけてみたいらしい。
A「いいですよ〜。
これなんかどうですか？」
私は頭につけていたヘッドホンを
ヒナミちゃんの頭に付け替え、
再生ボタンを押した。
ヒナミ「音鳴った…！
A姐さん、これ、
また貸してくれる？」
A「いいですよ〜。
いつでも来てくださいね。」
姐さんか…。
大方、金木が読み方を教えたのだろうが。
でも姐さんと呼んでほしいわけじゃない
わけじゃない。
今日は私が初めて姐さんと呼ばれた日。
ふふふふ。
いけない。一人でにやけていては…
そのうち客も入ってきて、
私は接客を始めた。
今日はいつもより、
笑顔がうまく作れたような気がする。
…ただにやにやしていただけかもしれないが。
でも私は今日のこの出会いを
良いものだと言い切ることができるだろうか。
これだけとは言えないが、
あの事件は私の運命を変える
一つの原因となったのだから。
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623 - フリスクでめちゃ笑いました。これからも期待してます！ (2018年6月23日 13時) (
レス) id: 09c8ed6a2a (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの吹奏楽部(プロフ) - eyeさん» コメありがとうございます。 わらび餅は加工品で原作のウタさんのおやつみたいな感じで、 わらび餅狂の作者がオリジナルで作ってしまっただけなので原作には登場しませんね。 登場期待していますw (2017年12月29日 7時) (レス) id: a97a7b3a4c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 喰種用のわらび餅とかあったんだw初めて知りました (2017年12月29日 2時) (レス) id: 4cc54018e6 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 面白いです♪更新頑張って下さい! (2017年10月30日 14時) (レス) id: fd6fe91d43 (このIDを非表示/違反報告)
萃(プロフ) - とても面白いです！更新、修正が早いので、さくさくと読み進める事ができました！これからも頑張って下さい！ (2017年10月25日 18時) (レス) id: 5e52a545e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さすらいの吹奏楽部 | 作成日時：2017年10月14日 0時
