第16話 ページ20
はっ!
…夢だったのか?
しかし私には目の前の殺人兵器と毒薬の姿が
見えてしまっていた。
…夢じゃなかった。
私はまた二人のキラキラした視線を
浴びることになった。
でも二人の様子から見るに、
私はそんなに長い事気絶していたわけでは
なさそうだ。
だがしかし。
なんと、またスペシャルクリームドーナツが
皿の上から消えていた。
またあいつか。
懲りないやつだ。
でも彼の口周りにはクリームは
ついていなかった。
謎すぎる。
視線を落とし
スペシャルクリームドーナツの消えた皿を
眺める。
ん?
今白いのが見えた気がする。
いや、まさか。
そんなはずは。
恐る恐る永近さんを見る。
「ふふぇひゃふふひーふふぉーふぁふふぁ
ふぁひ!」
きっとスペシャルクリームドーナツが
ないと言いたいのだろう。
それはあんたが…
「それはお前が食べたからだろおおおお!」
隣で突如聞こえた怒声は
多分亜門さんのものだ。
「すみません…
ボクは毎日この
スペシャルクリームドーナツを
眺められるのに食べられなくて…
つい…」
どばあ。
亜門さんが滝のような涙を流す。
「くっ…お前っ…
よくそんな苦行を…
良いだろう!
今日は俺がおごってやるから
好きなだけ食べろ!!!」
「ほんとですか…!
ありがとうございます!」
さて、二人に謎の友情が芽生えたところで
私は退散することにする。
これを横でずっと見てるのも野暮である。
ん?お勘定なんて知らんぞ。
こうして私がドーナツ屋から
命からがら退散したところ、
なんともう6時になってしまっていた。
そろそろ20区に戻るとしよう。
私はまた電車に乗り、駅で降りた。
とりあえず人気のない所に行ってみる。
待ち合わせ時刻にはちょっと早い。
日が落ちて外はますます寒くなっていた。
またどこか喫茶店に入ろうか。
いや、駄目だ絶対駄目だ。
もうあんな地獄を味わうのは御免だ。
私はそのまま彼女を待つことにした。
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623 - フリスクでめちゃ笑いました。これからも期待してます! (2018年6月23日 13時) (レス) id: 09c8ed6a2a (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの吹奏楽部(プロフ) - eyeさん» コメありがとうございます。 わらび餅は加工品で原作のウタさんのおやつみたいな感じで、 わらび餅狂の作者がオリジナルで作ってしまっただけなので原作には登場しませんね。 登場期待していますw (2017年12月29日 7時) (レス) id: a97a7b3a4c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 喰種用のわらび餅とかあったんだw初めて知りました (2017年12月29日 2時) (レス) id: 4cc54018e6 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 面白いです♪更新頑張って下さい! (2017年10月30日 14時) (レス) id: fd6fe91d43 (このIDを非表示/違反報告)
萃(プロフ) - とても面白いです!更新、修正が早いので、さくさくと読み進める事ができました!これからも頑張って下さい! (2017年10月25日 18時) (レス) id: 5e52a545e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さすらいの吹奏楽部 | 作成日時:2017年10月14日 0時