第14話 ページ18
私達が話をしている間に、
時刻は3時をまわっていた。
エトさんと約束した7時まで
あと4時間くらいか。
あんていくに戻るのはちょっと面倒くさいな。
私はそこら辺の喫茶で時間を潰すことにした。
入った店はドーナツ屋だった。
ドーナツ。
それは端的に言えば粉に
砂糖を混ぜて揚げたものである。
そんな物、美味しいわけがない。
にもかかわらず、ヒトは美味しそうに
忙しくその破片を口に放り込んでいた。
吐き気。吐き気。吐き気。
でも寒空の下4時間ウロウロするというのは
さすがに…。
はあ。
仕方ないな。
私は扉を開け、ドーナツ屋へ踏み込む。
途端に甘ったるい匂いが押し寄せる。
吐き気に耐え、私は見られることの少ない
すみっこに避難した。
すみっこぐらし。
叶うものなら私もその一員に
加えてほしいものだ。
とりあえず荷物を置き、
ブラックコーヒーを注文しようと
ベルを鳴らした。
「いらっしゃいま…おっ」
あ。
店員さんは金髪で活発そうな
あの永近さんだった。
「Aさんじゃないっすか！
一日ぶりっすね！」
「あ…はい。」
「ご注文は何になさいますか？
ボクも一応ここの店員なんで、
ドーナツ一個くらいなら
サービスするっす！」
永近さんの目はキラキラでピカピカで。
いらないなんて言ったら
溶けて無くなってしまいそうだった。
「あ…じゃあコーヒーと
スペシャルクリームドーナツで。」
私は適当に目に入った物を注文する。
その時、私はクリームが
どんな殺人兵器なのか知る由もなかった。
「お待たせしましたっす！」
出てきたのはクリームだらけの
ドーナツだった。
キャッチコピーは中までクリームたっぷり。
私は匂いにぶっ倒れそうになる。
ああ。
私は死を覚悟しその殺人兵器を手に取った。
その時。
私はドーナツを穴が開くほど、
(というかもうすでに
ドーナツには穴が空いているが)
食い入るように、
かじりつかんばかりの勢いで
見つめる者の視線を感じた。
ただならぬ気配を覚え、
ドーナツを皿においた。
その一瞬でドーナツは私の目の前から
消えてなくなっていた。
喰種の動体視力でも追いつかないほど
速かった。
一体誰だ？
振り返ってみると、そこには口周りを
クリームまみれにした、
筋肉質の男性がいた。
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623 - フリスクでめちゃ笑いました。これからも期待してます！ (2018年6月23日 13時) (
レス) id: 09c8ed6a2a (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの吹奏楽部(プロフ) - eyeさん» コメありがとうございます。 わらび餅は加工品で原作のウタさんのおやつみたいな感じで、 わらび餅狂の作者がオリジナルで作ってしまっただけなので原作には登場しませんね。 登場期待していますw (2017年12月29日 7時) (レス) id: a97a7b3a4c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 喰種用のわらび餅とかあったんだw初めて知りました (2017年12月29日 2時) (レス) id: 4cc54018e6 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 面白いです♪更新頑張って下さい! (2017年10月30日 14時) (レス) id: fd6fe91d43 (このIDを非表示/違反報告)
萃(プロフ) - とても面白いです！更新、修正が早いので、さくさくと読み進める事ができました！これからも頑張って下さい！ (2017年10月25日 18時) (レス) id: 5e52a545e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さすらいの吹奏楽部 | 作成日時：2017年10月14日 0時
