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吉原炎上篇/負けてない ページ29

そうして始まった戦いは、明らかに鳳仙が優勢だった。


そりゃあそうだろうなと思う。最初良い感じだったから期待してたんだけど、所詮は地球人。


Aみたいに夜兎とはりあえる方が珍しいんだ。




俺が動けないようにしているAは、拳をギュッと握りしめている。


こんな所でただ見ているだけの自分が情けないなんて思っているのだろうか。




よく分からない地球人の感情に首を傾げていると、蹴り飛ばされて壁にぶつかったお兄さんの顔を鳳仙が壁に思い切り押し付けた。


彼から苦しそうな声が洩れて、「銀ちゃん!!」なんて堪えきれずにAが叫ぶ。




「クク。あの一瞬で殺気を読み木剣で我が一撃を防いだうえ、後方に飛び衝撃を和らげるとは。デカい口を叩くだけはあるらしいな。あくまで地球(ここ)だけの話だが」




鳳仙が、更に手に力を込める。




「しょせん我等天人から国さえ護れなかった貴様ら侍に、我が鎖断ち切るなど、できるはずもなかったのだ」




その時、俺と最初に会った時は付けていなかった三日月型の髪留めを触っている右手が、ピクリと反応した。


ずっと鳳仙達の戦いを見つめていたAが顔を俯かせる。




「獅子は縄張り争いに負ければ縄張りと共に己の保有する雌をも明け渡す。わかるか? 貴様ら侍には、もう居場所も、その手で女を抱く権利も、ありはしないのだ。とっくの昔に、(なわばり)(メス)も、皆わしら天人のモノになってしまったのだから」




お兄さんがうめき声をあげなくなった。


もう終わりかな。




敗者(まけいぬ)敗者(まけいぬ)らしく、指をくわえて見ておればよいのだ。この国が、女達が、我等強者に蹂躙される様を。先にいった弱者(なかま)達と一緒に、あの世でな」




その時突然、鳳仙から血が噴き出した。




「負けてなんかいねェよ、(オレ)達ゃ」




お兄さんの声がした。




「今も戦ってるよ、俺ァ」




お兄さんが鳳仙を蹴り倒した。


鳳仙の目には、煙管が突き刺さっていた。




「おぉ」

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ゆず(プロフ) - %さん» ありがとうございます! カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです! (2019年12月20日 0時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます!更新頑張ってください!応援してます! (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年12月16日 0時

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