真選組動乱篇/遺言 ページ23
「銀ちゃん!?」
「近藤さん、無事ですかァ!!」
「ダメネ、いないアル。ゴリラの死体が1体転がってるだけネ」
それが近藤さんだよね!?
「何すんだァァァァ!! てめーらァァァァァ!!」
「あっ、いた。無事かオイ、なんかお前暗殺されそうになってるらしいな、一丁前に」
「今されそうになったよ、たった今!!」
立ち上がって銀ちゃんに全力で抗議していた近藤さんは、私に気付くと「無事だったか」と安心した様な顔をした。
その後、銀ちゃんを見て、ハッとした様に言う。
「お前ら、まさかトシをここまで……ありえなくね!? お前らが、俺達の肩を……」
俺達の肩を、持つなんて。
近藤さんの問いに、銀ちゃんは「遺言でな、コイツの」といつも通りの死んだ魚の目で答えた。
「遺言!?」
「妖刀に魂食われちまった。今のコイツは、ただのヘタレたオタク。もう戻ってくることもあるめェ」
「妖刀だと!?」
トシの変わりようが妖刀の所為だという事は聞いていた。
だけどまさか、魂を食べられていたなんて。
「そ……そんな状態で、トシがお前らに何を頼んだんだ」
銀ちゃんが静かに答える。
「真選組、護ってくれってよ」
……え?
「面倒だからてめーでやれって、ここまで連れてきた次第さ。俺達の仕事はここまでだ。ギャラはてめーに振り込んでもらうぜ」
驚いた様に聞いていた近藤さんが、「振り込むさ」と言った。
「俺の貯金全部。だが万事屋……俺もお前達に依頼がある。これも遺言と思ってくれていい」
「近藤さん何言って、」
「トシとA連れて、このまま逃げてくれ」
私の言葉を遮る様に、近藤さんはそう言う。
静かで、でも私に有無を言わさない声。
「こんな事になったのは俺の責任だ。戦いを拒む今のトシを巻き込みたくねェ。Aもそんなに血を出して……」
「近藤さん、これは、」
「俺ァ伊東に注意しろというトシの助言を拒んだ。さらには些細な失態を犯したトシを、伊東の言うがまま処断した。
近藤さんは目を伏せる。
「すまなかったァ、トシィ。すまなかったァ、みんな……俺ァ……俺ァ……大馬鹿野郎だ」
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哀(プロフ) - なるほどです!ありがとうございます! (2019年12月17日 18時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 哀さん» すみません! 次巻は用意をしただけで、まだ1ページも書けていないんです。でき次第すぐに公開します (2019年12月17日 16時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
アスミ - パスワード教えて欲しいです! (2019年12月17日 15時) (レス) id: 41e9138099 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - はじめまして!とても面白かったです!次の作品も読んで見たいのでパスワードを教えて頂けると嬉しいです! (2019年12月16日 16時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» 結構長いのに、2日で読んで下さるなんて…! とても嬉しいです。頑張ります! (2019年12月15日 22時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年11月29日 17時